認知症の薬物療法|介護職員初任者研修の認知症ケア知識

介護職員初任者研修は、介護の仕事に従事することを目的とした方が受講し、修了試験合格後、各施設で働くことになります。

なので、認知症高齢者に対応できるよう認知症の治療方法とは何かについての基礎知識は理解しておくべきだと思います。

アルツハイマー型認知症の治療方法

アセチルコリンは人の記憶を担う神経伝達物質の一種で、激しいもの忘れ症状が発生する要因の一つにアセチルコリンの減少が関与しています。

このアセチルコリンの減少を防ぐための抗認知症薬がドネペジルという薬で、1999年に厚労省から認可された国産薬で間接的にアセチルコリンを増殖させる薬効があります。

但し、ドネペジルを投与しても根本原因を改善し治療できる薬ではなく、効き目としては多くの場合10ヶ月間に渡り認知症の症状悪化を抑える効果しかありません。

ドネペジルの投与について
効果

ドネペジルを投与することで認知機能や行動面でも、次のような改善効果が期待できます。

  • 物忘れが少なくなり落ち着きを取り戻せる。
  • 記憶を思い起こす時間が短縮される。
  • 会話のやり取りがスムーズになる。
  • 話の理解力が少しは高まる。
  • 遂行機能障害の程度が改善される(物事を順序立てて実行する機能)
  • 他人と家族を間違える率が減少する。
投与頻度

1日1回

副作用

胃腸障害(消化不良・下痢・食欲低下)

心機能疾患が見られる患者は投与は慎重を期す必要があります。

効果期限

投与を開始した後、12〜24ヶ月経過すると効果は減少し、病気などの影響でアセチルコリンを担う神経細胞が消失すれば、薬効はなくなってしまいます。

ドネペジルが持つ認知症状の悪化を抑制する効果を強め持続させるには、利用者への温かいケアと本人に合ったケアを行うことで、心理的安心感を助長し利用者に良好な状態を継続させることにつながります。

行動心理症状(BPSD)に対する薬物療法

認知障害を持った高齢者などが、社会生活を送るうえで出来事や物事に適応しようとしますが、上手くいかずに誤った言動を行ったり、精神的に不安やパニックに陥ったりすると、行動心理症状(BPSD)となって発現してしまいます。

医療面でも介護面でも行動心理症状(BPSD)に対する対策は、常に切羽詰まった重要課題となっています。

認知障害を持った高齢者などが、幻覚・妄想・興奮状態に陥った場合は、抗精神病薬が処方され投薬処置が施されることになります。

認知症の中ではアルツハイマー型認知症患者が最も多いのですが、この病と共にBPSDの抗精神病薬に関しては現状、保険適用外となっています。

認知症障害による次の症状には下記の抗精神病薬が公益社団法人日本老年精神医学会で推奨されています。

抗精神病薬の投与について
症状

せん妄や身体的攻撃、興奮状態、幻覚妄想

投与薬

第一候補:チアプリド
脳梗塞合併症による攻撃的行為、精神興奮、せん妄、徘徊の改善に保険適用となる。

第二候補:リスペリドン、ハロペリドール

副作用 パーキンソン症候群、尿閉過剰鎮静、血圧低下

初期段階で投与量が多いと副作用が発生し危険であるため、副作用防止のため初期投与量を成人量の50%以下となるよう最小限少量に抑えて投与する。

認知症の行動・心理状態(BPSD)の症状と誘発する問題点

認知障害で次のような症状が現れると混乱した意識状態に陥ります。

すると、普通に日常生活を送るために、物事や出来事に対応しようとするのですが、上手くいかず結果的に次のような異常な心理状態や言動に陥ることになります。

認知障害・症状 意識状態 心理状態・行動
物忘れが顕著である

体験したことの認識がバラバラでつながりがない

慢性的に不安定な精神状態・パニック状態
場所の見当がつかない

正確に状況把握ができない

徘徊、混乱・錯乱、誤った言動
簡単な道具が扱えない

使い方が理解できない

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