施設実習のメリット
自分で見聞きしなければ、実際わからない事も多くあるので、就職前の介護施設実習や訪問介護同行などは貴重な体験の場とも言えますし、施設実習を体験できるスクールを受講することにより、次のようなメリットを感じることができます。
- どのようなタイプの介護職種が自分に向いているかを検討する際の判断材料とすることもできます。
- 就業前の不安や疑問を解消できる機会を得ることができます。
- 長続きする職場を探す際の参考にすることができます。
- 就職時、採用側(介護施設)と求職側(あなた)とのミスマッチを避けることに繋がります。
- ミスマッチにより発生するであろう無駄な就活時間や手間を減らすことができます。
- 介護される側、介護する側、双方の気持ちや考えなど、現場の実態を肌で感じることができ、実際の介護方法も観察できるので家族介護にも役立ちます。
ホームヘルパー2級からの変更点は?
現在の介護職員初任者研修に相当する以前の資格はホームヘルパー2級です。
ホームヘルパー2級から介護職員初任者研修に資格制度が変更になった為の大きな相違点として、初任者研修の場合は施設実習が必須ではなくなったということです。
介護施設での現場実習が必須ではない代わりに、介護技術演習がホームヘルパー2級では42時間であったものが介護職員初任者研修は75時間に大幅に拡大されました。
資格 | 施設実習 | 介護技術演習 |
ホームヘルパー2級 | 必須 | 42時間 |
介護職員初任者研修 | 必須ではない | 75時間 |
上表のような変更は、介護の知識と技術を高いレベルで習得させるという意味では悪いわけではありませんが、 施設実習が必須ではなくなったということによって、次のような点も不安視されます。
施設実習に対する採用側(介護施設)の考え方
介護職の求人募集を行っている介護事業所や施設の採用者側の思惑としては、次に該当するような人で自分の適性についてもある程度理解している人を採用したいと考えている場合が多いようです。
- 介護の知識だけでなく介護技術の基礎を身に付けている。
- 介護施設や在宅訪問介護などの何らかの現場体験をしたことがある。
その理由は、介護職員初任者研修を通じて介護技術の基礎をしっかりと学び、現場実習の体験を通して、どんな介護職種であれば自分にできるのかという方向性を固めた求職者を優先したいですし、そのような求職者は定着しやすいと考えているからです。
逆にいえば、施設実習すら体験していない人は介護現場のイメージがつかめず向き不向きも曖昧で、ミスマッチの危険性があり、せっかく採用しても就職してから辞めてしまうかもしれないという不安があるようです。
求職者側から見た施設実習に対する考え方
介護職に就きたいと考えている求職者側からすると、介護の知識や介護技術の基礎は介護職員初任者研修でしっかりと学んでいると思います。
但し、現場の施設実習などを体験せずに就職先を選んだ場合、介護サービスの職種は様々なので、その職種が本当に自分に合っているかどうかを見極める判断が難しいかもしれません。
数日間でもいろいろなタイプの介護現場を自分の目で見たり体験しておくことで、どのようなタイプの介護の職種が自分には向いているかをイメージできると思います。
現場体験なしでは、採用者側も現場の雰囲気さえも全く知らない人を採用することになり、ミスマッチングに繋がる可能性もあります。
また、介護士を目指している人だけでなく、家族介護が目的の方も現場実習を通して、介護側の考え方や実際の介護方法を客観的に見つめることができるので家族介護にも役立ちます。
介護職員初任者研修では介護施設での現場実習が必須ではありませんが、スクールによってカリキュラムに組み込まれているところもあります。
希望者にはオプションで現場実習を体験できるように用意しているスクールも多くありますので、今後のために体験してみたいと思われる方は検討してみるのもいいと思います。
関連ページ
- 介護職員初任者研修の受講内容・研修カリキュラム
- 介護職員初任者研修の受講内容・研修カリキュラムについて解説しています。
- スクーリング(実技演習)は介護職員初任者研修では必須
- 介護職員初任者研修では、通信講座でもスクーリング(実技演習)は必須です。ここでは、スクーリング(実技演習)について解説しています。
- 施設実習を体験できる初任者研修の実習内容
- 介護施設で現場実習が体験できる初任者研修の実習内容について紹介しています。
- 初任者研修と実務者研修の違いは何か?
- 初任者研修と実務者研修は、どちらも介護未経験でも受講できますが、その違いと迷っている方のために適切な選び方を紹介しています。
- 自分にピッタリ最適な介護職員初任者研修の選び方
- 自分のライフスタイルにピッタリ合った最適な介護職員初任者研修を選ぶには、自由時間と費用がどれだけあるかを考えて、スクール・教室を探すのがポイントです。
- 介護職員初任者研修の講座の良し悪しを判断するチェックポイント
- 介護職員初任者研修を開講しているスクール・講座を選ぶ際、その良し悪しを判断するチェックポイントについて解説しています。
- 費用と時間を節約する介護職員初任者研修機関の選び方
- 介護職員初任者研修を受講する際、費用と時間を節約しながら研修課程を受講できる研修機関・スクールの選び方について解説しています。
- 介護福祉士等を視野に入れた研修機関の選び方
- 介護福祉士等を視野に入れた場合の研修機関の選び方について解説しています。
- 働きながら介護職員初任者研修を受講する場合の注意点・選び方
- 在職中の方が働きながら介護職員初任者研修を選ぶ場合の注意点や選び方について解説しています。
- 家事をしながら介護職員初任者研修受講する場合の注意点・選び方
- 主婦の方が家事をしながら介護職員初任者研修を選ぶ場合の注意点や選び方について解説しています。
- 無職で介護職員初任者研修受講する場合の注意点・選び方
- 介護職に就くために無職の方が介護職員初任者研修を選ぶ場合の注意点や選び方について解説しています。
- 学生から介護資格を目指す場合の注意点・選び方
- 学生の方で将来介護職に就くために介護資格を目指す場合の注意点や選び方について解説しています。
- 介護職員初任者研修からキャリアアップできる資格
- 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の資格取得後、さらに介護福祉士などを目指す方の為に、キャリアアップ・ステップアップの仕方について解説しています。
- 介護職員初任者研修を公的機関で受講する
- 介護職員初任者研修を公的機関で受講する場合のメリット・デメリットについて紹介しています。
- 介護職員初任者研修を民間機関で受講する
- 介護職員初任者研修を民間機関で受講する場合のメリット・デメリットについて紹介しています。