1.第1号被保険者の介護保険料の地域格差
第1号被保険者(65歳以上の高齢者)の介護保険料は、住民票登録している地域を管轄する市町村の地域における高齢化率、収入格差、提供サービスの標準レベルにより、金額には大きな開きがあります。
1-1.介護保険料は市町村ごとに開きがある
65歳以上の被保険者が納付する介護保険料率は、各市町村が決定する仕組みになっているため、全国一律ではなく、市町村ごとにそれぞれ異なりますが、以下のような理由があるからです。
高齢化や要介護認定の程度が異なる
地域に在住する全住民数に占める65歳以上の高齢者数は市町村ごとにばらつきがあります。
高齢者が多くを占めている市町村は、介護サービスの利用頻度も高く、それに伴い給付額も増大しますが、地域における高齢者の比率が低い場合は、介護予防の促進に取り組んでいる地域では、要介護認定率も抑制され介護保険からの給付額も少ない傾向にあります。
65歳以上の高齢者所得には格差がある
所得が少ない高齢者が沢山在住している市町村では、保険料徴収による財源も少なくなります。
保険給付額のレベルには格差がある
介護や福祉などに関して市町村個別で行える特別給付や事業により、介護給付のレベルには違いが生じ、高水準の自治体では保険料率は上がります。
このように国の保険料基準額に基づいて市町村が決める基準額は各地域により大きな差があります。
ちなみに、第6期保険料基準額(月額)の都道府県別の平均額で見ても、最低は埼玉県の4,835円、最高は沖縄県の6,267円となっているので、当然市町村間でも異なるのがわかります。
1-2.介護保険料率の基準は変更することも可能
65歳以上の介護保険料率は、6段階区分が基本ですが、所得が低い高齢者が不利にならないような支援策として、下記変更を行うことが認められています。
- 基準額に掛ける率
- 第5と第6段階間の基準所得金額
- 第5と第6段階間に1段階増やし第7段階に設定
2.第1号被保険者の介護保険料の徴収方法
2-1.介護保険料の特別徴収とは
対象者
次の年金を受給しており、年18万円以上支給されている高齢者が対象です。
- 老齢基礎年金
- 老齢退職年金(厚生年金・共済組合など)
- 遺族年金
- 障害年金
徴収方法
65歳以上の介護保険料は、上記の各年金から天引き徴収となっている方が大半で、もし2種類以上の年金を受給している方は、老齢基礎年金が優先されます。
保険料の徴収は年金保険者がその役割を担っており、65歳以上の年金受給者に年金を振り込む場合に保険料分を事前に天引きしてから年金は支給されます。
徴収した保険料は年金保険者から市町村に納付されますが、この方式を特別徴収と呼びます。
ちなみに日本年金機構が国民年金と厚生年金を扱っており、共済組合は共済年金を扱っています。
年金受給している高齢者数と第1号被保険者数とは概ね合致しているので、特別徴収による集金方法は納付する側の高齢者に負担が一切かからず保険者側も洩れなく徴収でき、双方にとって利便性が良く効率的な方式であるため採用されています。
所得税・市町村民税申告で、年度期間中に保険料の基準額区分が変わり、保険料が増えた時はその増えた金額分については普通徴収になり、保険料が減った時は特別徴収から普通徴収に切り替えられます。
2-2.介護保険料の普通徴収とは
対象者
年金の支給を受けていない無年金者、又は年17万円以下しか支給を受けていない低年金者で、特別徴収ができないか適当でないと判断される高齢者が対象です。
但し、4月2日以降に65歳を迎えた方や、他の自治体から住民票を移し転入した年度分は普通徴収が適用されます。
徴収方法
市町村から無年金者や低年金者へ納入書を自宅送付し、本人が直接保険料を納める必要がありますが、この方式を普通徴収と呼びます。
保険料を収める際は、まず本人に納付義務が生じるのは当然ですが、本人の夫又は妻、本人が暮らしている家庭の世帯主も納付に関する連帯責任を負い、法的にも支払い義務が生じます。
市町村の中には、国民健康保険料と一緒に徴収する自治体もあり、納付期限や頻度は、各自治体の条例により決定することが可能なので、毎月又は2ヶ月毎で徴収する市町村もあります。


