1.介護保険給付に必要となる費用の財源について
介護サービス提供側の事業者などが受け取る介護報酬の内訳は、 サービスの利用者が支払う使用料の1割自己負担と、それ以外では国や都道府県、市区町村の税収から歳出する税金である公的費用50%と保険料50%との割合で負担され介護保険事業が運営されています。
2015年から2017年の第6期現在における公費50%の中身は、国の定率負担20%、国の調整交付金5%、都道府県12.5%、市町村12.5%の割合で負担されています。
なお、市町村の財政状況は、各自治体によって格差があるので、サービス利用者の公平性を担保するために調整し調整交付金として市町村に支給されますが、交付率は個々に異なります。
施設等サービス給付の場合は、国の定率負担15%、国の調整交付金5%、都道府県が17.5%、市町村が12.5%の割合で賄われています。
一方、保険料50%の中身は、65歳以上の第1号保険料22%、40歳から64歳までの第2号保険料28%の割合で保険者から徴収する保険料によって賄われています。
また、3年に1回の頻度で第1号被保険者と第2号被保険者の人口比率に基いて負担比率の見直しが実施されています。
以上のように一定の基準が決められていますが、想定外の給付費増が発生し赤字になった場合には、次のような対応措置を講じれるようになっています。
第2号保険料と公費について- 給付実績に応じて費用を精算し交付される精算交付が可能。
- 保険者に費用を貸与する。
- 財政安定化基金より交付する。
都道府県に設置されている機関で、保険料未納により費用不足に陥った場合に当該費用の半分を)を交付し財政支援を担う役割がある。
| 種類 | 財 源 | 居宅サービス給付の場合 | 施設等サービス給付の場合 | 比率 |
| 公費 | 国費負担分 |
25.0% 調整交付金 5%含む |
20.0% 調整交付金 5%含む |
50 % |
| 都道府県費負担分 | 12.5% | 17.5% | ||
| 市区町村費負担分 | 12.5% | 12.5% | ||
| 保険料 | 第 1 号被保険者(65歳以上の保険料) | 22.0% | 19.0% | 50 % |
| 第 2 号被保険者(40歳から64歳までの保険料) | 28.0% | 31.0% |
※介護サービス利用者の1割負担額及び一定以上所得者2割負担額については、上記数値には含みません。
2.地域支援事業に必要となる費用の財源について
介護保険給付と同じように地域支援事業についても事業の種類によって、次のような財源比率で負担することになっており、事業運営が行われています。
| 財源 | 介護予防・日常生活支援総合事業 | 包括的支援事業・任意事業 |
| 国 | 25% | 39% |
| 都道府県 | 12.5% | 19.5% |
| 市町村 | 12.5% | 19.5% |
| 第1号被保険者 (65歳以上) |
22% | 22% |
| 第2号被保険者 (40歳以上65歳未満) |
28% | ― |
3.保険料の種類と保険料率について
3-1.第1号被保険者(65歳以上)の保険料と徴収について
第1号披保険者の保険料は、保険者である市区町村の介護保険サービスの総事業費から保険料基準額が決まり、3年ごとに保険者が見直しを行います。
一人ひとりの保険料は、この基準額に9段階の所得区分ごとに設定されている保険料率を掛け合わして算出され納付することになりますが、都道府県別平均値の最低と最高の格差があり、地域によって大幅な開きがあります。
ちなみに、保険料の全国平均基準額の推移は、平成18年~20年度の第3期目は月額4090円でしたが、平成27年~29年度の第6期目は月額5514円と年々アップしています。
第1号被保険者の保険料の納め方は次の2つがあり、もし保険料を滞納した場合は滞納期間に応じた給付制限が課せられることになります。
特別徴収:- 徴収方法:年金が支給される際に年金から天引きされる形で保険料が徴収される。
- 対象者:年額18万円以上の老齢年金,退職年金,障害年金,遺族年金などを受給する第1号被保険者
- 徴収方法:保険者が送付する口座振替や納付書によって直接納付する。
- 対象者:特別徴収に該当しない第1号被保険者
| 賦課 段階 |
市町村民税 | 所得内訳 | 賦課率 基準値×(下記数値%) |
| 第1 段階 |
世帯全員 非課税 |
生活保護被保護者
老齢福祉年金受給者 本人年金収入等80万円以下 |
0.5 消費税10%時は0.3 |
| 第2 段階 |
本人年金収入等80万円超120万円以下 | 0.75 消費税10%時は0.5 |
|
| 第3 段階 |
本人年金収入120万円超 | 0.75 消費税10%時は0.7 |
|
| 第4 段階 |
本人非課税 | 世帯には課税者がいて、かつ本人年金収入等80万円以下 | 0.9 |
| 第5 段階 |
世帯には課税者がいて、かつ本人年金収入等80万円超 | 1.0 | |
| 第6 段階 |
本人課税 | 合計所得金額120万円未満 | 1.2 |
| 第7 段階 |
合計所得金額120万円以上190万円未満 | 1.3 | |
| 第8 段階 |
合計所得金額190万円以上290万円未満 | 1.5 | |
| 第9 段階 |
合計所得金額290万円以上 | 1.7 |
3-2.第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の保険料について
第2号被保険者の介護保険料は、給料、所得、資産などによって異なり、それぞれ加入している医療保険の健康保険料と共に徴収される仕組みになっています。
第2号被保険者1人当たりの負担額は年度ごとに国によって算出され決められていますが、社会保険診療報酬支払基金が国の基準に基づいて各医療保険者から徴収することになっています。
介護保険料率の推移(%) |
|
| 2008年 (h20年) |
1.13 |
| 2009年 (h21年) |
1.19 |
| 2010年 (h22年) |
1.50 |
| 2011年 (h23年) |
1.51 |
| 2012年 (h24年) |
1.55 |
| 2013年 (h25年) |
1.55 |
| 2014年 (h26年) |
1.72 |
| 2015年 (h27年) |
1.58 |
4.介護保険サービス利用者負担について
介護保険制度ではサービス利用者に、応益負担してもらうことになっています。
所得の多い少ないに関係なく利用したサービス総費用に対して決められた一定の割合分の費用を利用者に負担してもらうしくみになっています。
原則、サービス利用者の自己負担率はかかった総費用の1割で、残りは介護保険から給付されます。
但し、ケアマネジメントに該当する介護予防支援や居宅介護支援などに関しては、介護保険より全額賄われ利用者が自己負担する必要はありません。
保険給付の対象外で利用者全額負担に該当するもの
次に該当する内容については、保険給付の対象外項目になり、利用者の全額負担になりますが、短期入所時の滞在費や施設入所時の居住費と、共に入居している際の食費を低所得者が負担する場合は、特定入所者介護サービス費の軽減措置が適用され給付されることになっています。
- 短期入所時の滞在費
- 施設入所時の居住費
- 施設及び通所サービスでの食費
- グループホームや特定施設での家賃や管理費
- オムツなどの日常生活費
- 娯楽・教養・趣味などの特別なサービス費用
- 施設入所時の特別室費用
- 通常営業地域外で行われる訪問・通所サービス利用時の交通費


