1.審査支払機関の種類と担う役割
審査支払機関とは保険者からの委託により、医療機関から提出される診療報酬明細書(レセプト)・診療報酬請求書の内容について不正や誤りがないかなど妥当性を審査し支払業務を行う団体のことです。
審査支払機関には次のような団体があります。
- 国民健康保険団体連合会:
保険者である国民健康保険組合又は市町村に関わる診療報酬請求の審査及び支払い業務を行っています。 - 社会保険診療報酬支払基金:
保険者である全国健康保険協会(協会けんぽ)・健康保険組合・共済組合に関わる診療報酬請求の審査及び支払い業務を社会保険診療報酬支払基金法に基づいて実施しています。
1-1.国民健康保険団体連合会(国保連)の役割について
都道府県毎に国民健康保険の保険者が共同で開設した組織が国民健康保険団体連合会といわれているものです。
国民健康保険団体連合会(国保連)は従来から医療保険として国民健康保険に要する診療報酬に対しての内容審査や診療報酬請求元の医療機関への支払い業務の役目を担っている団体です。
その後、介護保険制度が制定されスタートした際には、医療保険と並行して介護保険に係わる業務も担うこととなりました。
特に介護保険制度のサービス提供に係わるクレームや苦情などの対応を行っている点に大きな意義があります。
介護保険制度上で国民健康保険団体連合会が担う重要な役割とは
国民健康保険団体連合会が担っている介護保険制度上の業務には次のようなものがあります。
- 介護給付費審査委員会を設置し介護報酬の審査や支払い業務を行う。
- 介護予防・日常生活支援総合事業についての費用支払い業務を行う。
- 利用者が介護事業者などが提供しているサービスを利用した際に生じた苦情・クレームの相談に応じ、施設への実態調査を実施し改善指導などの対応を行う。
1-2.社会保険診療報酬支払基金と医療保険者の役割について
医療保険の内、会社員・公務員・船員などが加入する被用者保険の保険者が共同で開設した団体が社会保険診療報酬支払基金と呼ばれている機関で、診療報酬に関する審査や支払いを担っています。
また、介護保険制度上の観点から見ると、介護保険の各保険者に対して介護保険第2号被保険者保険料を交付金として支給する役目も持っています。
一方、医療保険者が担う業務としては、当該保険加入者の医療保険料と40歳以上65歳未満の介護保険第2号被保険者保険料を共に徴収して、社会保険診療報酬支払基金に納付することとなっています。
1-3.年金保険者の役割について
年金保険者は、年金受給額が一定以上ある65歳以上の第1号被保険者に該当する高齢者に対して年金を支給する際、介護保険料を年金から天引きして徴収したお金を保険者である市町村に納入するという業務上の役目を担っています。
このような仕組みを特別徴収と言いますが、介護護保険制度が施行されることになってからスタートしており、医療保険制度でも同様の仕組みで運用しようという流れに傾いています。
2.保険者の種類と担う役割
保険者の正式名称は医療保険者と言いい、医療保険事業を円滑に運営・維持するため、次の業務を担っている団体・事業主のことです。
- 医療保険加入者から保険料を徴収する。
- 医療保険加入者へ保険給付を行う。
- 公的医療保険の健康保険証を発行する。
また、保険者には次のような団体があります。
- 国民健康保険組合又は市町村:
退職者・自営業者・個人事業主・農業従事者が加入する国民健康保険の保険者 - 全国健康保険協会(協会けんぽ)又は健康保険組合:
民間企業などに勤める会社員などが加入する健康保険の保険者 - 共済組合:
教員や公務員が加入する共済組合の保険者
3.診療報酬明細書(レセプト)とは
レセプトは医療機関で作成する書類で、毎月末には患者ごとにレセプトを作成し、翌月10日までに審査支払機関へ提出することが義務付けされています。
病院で患者が医師より診療を受けた際に、まず患者別に診療録(カルテ)が作成されます。
このカルテに記載されている傷病名、検査、投薬、注射など、それぞれの診療行為を診療報酬点数として規定されている保険点数に置き換えた数値がレセプトには記載されています。
1点を10円として算出したレセプト(診療報酬明細書)と診療報酬請求書を審査支払基金に提出すると審査が行われ、点検後問題がなければ医療機関に診療報酬が支払われる仕組みになっています。
医療機関がレセプト電算処理システムを導入している場合は、レセプト内容が記録された媒体で提出を行います。
病院での診療報酬や介護事業所での介護報酬は、経営上の主な収益になりますので、医療事務や介護事務のレセプト業務は重要な仕事になります。


