1.予防型重視の保険給付制度へ
介護保険制度は、社会全体で高齢者介護を支え自立支援を行うという理念は今も昔も変わりませんが、2006年改正の介護保険制度では、今まで以上に自立支援を強力にバックアップしていくということに重点が置かれています。
その証拠に、要介護判定は、1段階の要支援と5段階の要介護に区分されていましたが、要介護1を要支援1と要介護1の2つに分けられ、2段階の要支援と5段階の要介護となりました。
この結果、要支援は予防給付、要介護は介護給付として介護保険上の各種サービスを受けることができるので、要支援が2種類に増えたことで予防給付を受けられるサービスが拡充することとなり、予防型重視の介護保険制度となりました。
また、介護保険の給付には、市町村で独自に提供している特別給付という介護サービスがあります。
2.予防マネジメントは地域包括センターが担うことに
2006年の介護保険制度改正前は、要支援と要介護に関する全ての介護マネジメントを居宅介護支援事業所などが担ってきました。
しかし、介護保険制度が改正され介護予防に力点が置かれるようになり、それに伴い予防給付の対象となるサービスが拡充されたため、要支援サービスの予防マネジメント関しては、市区町村に設置されている地域包括支援センターが担うことになりました。
このように高齢者の自立と要支援に関する予防給付サービスと、要介護者が対象となる介護給付サービスのマネジメントの主体が明確に区分されることになりました。
3.介護度に応じて支給限度額は異なっている
介護保険制度における予防給付も介護給付も際限なく利用できるわけではなく、所得の多い少ないに関係なく、誰もが平等に給付を受けることができるように公平性を担保する必要があります。
利用できる介護サービスや給付にも上限が設けられ、介護度に応じて月の給付額がされぞれ設定されています。
要介護認定区分は、予防給付は要支援が2段階、介護給付は要介護が5段階に分類されていますが、原則1割の介護サービス利用料を負担したからといって、無制限にサービスを利用できるわけではありません。
決められた上限額を超えた利用分については、全額利用者の自己負担となります。
4.要介護区分と該当する利用者の状態・利用限度額について
これらの理由から、要支援・要介護度別に、給付の利用限度額が定められており、限度額を超えて介護サービスを利用した場合は、その超過分の費用は100%自己負担となります。
下記に介護サービスの利用限度額を示します。
4-1.要支援・要介護度の状態概要と利用限度額
| 給付区分 | 認定区分 | 利用限度額 1ケ月当り |
身体機能の状態概要 |
| 予防給付 | 要支援1 | 5,003単位 | 基本的日常生活を行う身体機能は有しているが、立ち上りや歩行する機能は若干低下しているので部分的な支援が必要な状態。 |
| 要支援2 | 10,473単位 | 基本的日常生活を行う身体機能は要支援1の状態より少し低下しているため、何らかの介助が必要な状態。 | |
| 介護給付 | 要介護1 | 16,692単位 | 歩行や立上る際に支えを要し、食事・排せつ・入浴・着替えなど部分的な介助が必要な状態。 |
| 要介護2 | 19,616単位 | 歩行や立上る際に支えを要し、食事・排せつ・入浴・着替えなど一部または全介助が必要な状態。 | |
| 要介護3 | 26,931単位 | 自力での歩行や立上りが不可能で、食事・排せつ・入浴・洗顔・衣服の着替えなど全介助が必要な状態。 | |
| 要介護4 | 30,806単位 | 自力での歩行や立上りが不可能で、食事・排せつ・入浴・洗顔・衣服の着替え・爪切りなど全ての動作について全面的介護を要し、物事を認識したり理解したりする能力も衰えている状態。 | |
| 要介護5 | 36,065単位 | 日々の生活を送るための日常動作全般に渡り全面的介護が必要で、物事の理解力が全般的に衰えいて問題行動も頻発している状態。 |
- 利用限度額は、基本的に1単位で10円となりますが、地域加算があるところでは10円+α円となりサービス単価が若干異なります。
- 原則、介護サービス利用者の自己負担額は1割負担で、上記の利用限度額超過分は全額自己負担になります。
4-2.上記とは別枠の介護居宅サービスとその利用限度額
介護福祉用具購入
利用限度額:1年間10万円まで
- 腰掛便座
- 特殊尿器
- 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具の部分
介護福祉用具貸与
利用限度額:要支援、要介護度別の支給限度基準額の範囲内において、他のサービスと組み合わせ
- 車いす(付属品含む)
- 特殊寝台(付属品含む)
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助つえ
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(つり具の部分を除く)
居宅介護住宅改修費
利用限度額:20万円まで


