日本では、少子化・高齢化の急速な進展で福祉政策も多様化しており、心の病やストレスを抱える方も多くなり社会的にも問題となっています。
1.日本における福祉政策の始まり
自力で社会生活するのが困難な方を対象とし、生活の質を維持・向上させることを目的として社会的に支援サポートする仕組みを社会福祉サービスと言います。
高度経済成長期であった1960以降には、「生活保護法」、「児童福祉法」、「身体障害者福祉法」、「知的障害者福祉法」、「老人福祉法」、「母子及び寡婦福祉法」などの社会福祉六法と言われている法律が順次制定されていき、制度化された法律を着実に履行するための行政機関が各地方自治体に開設されていきました。
日本で社会福祉制度が正式に導入されるようになったのは、第二次世界大戦後で、社会福祉主事の制度化、福祉事務所の設置など、当時アメリカで運用されていた社会福祉事業をまねた形で、進められていきました。
2.社会福祉士及び介護福祉士法成立の背景
2-1.家族介護が当たり前であった時代
介護サービスとは、自立して日常生活をおくれるように高齢者や障害者などに対して、介護のプロである介護士などが介助や援助を行う仕事であるということは、現在の日本では多くの方が理解し認知していることですが、1960年以前の日本では到底理解できるような状況ではありませんでした。
その理由は、3世代2世代同居の大家族が当たり前の時代で、高齢者介護は家族が担うことが当然といった風潮があったためです。
実際の介護は、体力的に元気な人や家族が交代して高齢になった親の面倒を見たり、介護を担ったりしていましたが、特に家族の中でも女性が中心になって介護を行うことが、当時では社会的な慣習となっていました。
なので、当時の女性には、家事だけでなく家族介護の大きな負担がのしかかっていた時代です。
しかし、1960年以降の高度経済成長期時代に移行すると、都会へ職を求めて地方から移り住む人が急増し、その結果、家族は都会では夫婦だけ、又は夫婦と子どもだけ、地方においては独居老人や 高齢者夫婦のみの家庭が多くなり、核家族化が助長していきました。
2-2.介護政策に大きく影響を与えた核家族化の増進
核家族化という状況も1980年代に入るとさらに増進していきます。
女性の社会進出が進み経済的に自立して生活できる社会環境が整うことで、晩婚化により出産率が低下していきました。
また、医療技術が年々大きく進歩していったおかげで、男女とも日本人の平均寿命は延び続けていきました。
このような理由により、社会の少子高齢化が年々進みますます拍車がかかることによって、介護を要する高齢者は増える一方ですし、核家族数の増加により家庭内の家族だけで介護を担うことは非常に難しい状況になってきました。
こういった背景から、社会全体で高齢者介護を支えていく制度作りが求められるようになり、社会福祉士及び介護福祉士法が1987年に法制度化され、介護福祉士は介護の専門家として、社会福祉士は相談援助の専門家としての国家資格が定められるようになりました。
社会福祉士や介護福祉士は、高齢者・障害者などに対して専門知識に基づきプロの立場でサービス提供していく職種です。
3.精神保健福祉士法成立の背景
3-1.精神障害者の長期入院が社会問題化
精神保健福祉士の資格制度が成立した時代背景には、長期間に渡って精神障害者が入院生活を送っていたという現状が社会的に問題となっていたことも要因の一つです。
精神障害者に対するサポート支援は、当時のアメリカやヨーロッパと比較しても日本は、入院する期間も長く、退院してから社会復帰を目指す精神障害者の援助サポートもまだまだ追いついていないのが現状でした。
このような状況を改善するために精神障害者の人権を専重し援助できる精押保健に関する専門職の必要性が社会から求めれるようになりました。
その後、精神保健福祉の国家資格で・ある精神保健福祉士法が1997年に法律化され、社会復リ4 缶目指す精神障害者の相談援助を専門家として行える資格が誕生しました。
3-2.心の病やストレスを抱える人が増加
様々な情報が氾濫し、社会環境の変化も激しく複雑化する現在社会では、対人関係なども希 薄でいろいろな人と交流し心を通い合わす機会もほとんどありません。
孤立化しやすい社会では、悩みや不安を抱えていても気軽に相談できる相手も少なく、ストレスを解消しにくい環境にあります。
うつ病になり心に様々な問題を抱えた方は、通常の社会生活に支障をきたし、入院治療が必要となるケースも多くなっています。
そうなると、生活や経済的に次々と問題が発生し、症状が回復しても職場復帰も容易ではありません。
精神科医師と協力して医療行為以外のことに関して心に問題を抱えた人々の相談に応じサポート支援していくのが精神保健福祉士の仕事なので、現在社会においては今後もますます必要性が高まっていく職種だといえます。




