初任者研修や実務者研修を修了したら就職するまでの具体的な道筋をイメージしてみましょう。
初任者研修や実務者研修が無事修了すると、研修機関から修了証が授与されます。
これを受け取れば晴れて卒業、いよいよ介護士・ホームヘルパーとして活躍する道が開けることになります。
では、具体的にどこに就職し、どんな働き方をすればいいのでしょうか?
もちろん、自身が望む進路を選択すればいいのですが、ここではその目安としていくつかの選択肢を示していくことにします。
その前に、まずは進路選択の際のポイントをいくつかあげてみます。
1.「どんな働き方をしたいか」というビジョンが大切
介護士・ホームヘルパーになろうと思った動機は、人それぞれだと思います。
- 社会貢献のできる仕事がしたい。
- 高齢者と身近に接してみたい。
- 自分の親を介護するため。
など様々ですが、なかには、単純に「お金を稼ぎたいから」という動機もあると思います。
志や動機に貴賤はなく「お金を稼ぐために」という動機も、ホームヘルパーをプロの職業として認めているからこそ出てくるものですので、否定するつもりは毛頭ありません。
ただし、この仕事を長く続けるためには、「ホームヘルパーになりたい」という漠然とした夢だけでなく、「どんな働き方をしたいか」というビジョンをしっかり持つことが必要です。
例えば、あくまで訪問介護の現場で働きたいのか、将来的にコーディネーターやケアマネジャーなどマネジメントに力点を置いた活躍がしたいのか、あるいは福祉施設や医療機関などで介護職員(ケアワーカー)の道を志したいのかなど、自分の思いをはっきりさせることで、おのずと働く場所や勤務形態などが選択されていくことになります。
もちろん、その選択肢に応じて求職の方法も変わってきますし、採用されるための自己PRのやり方なども考えなければなりません。
時には生活パターンを変えていくことも必要でしょう。
このように、就業にいたるまでには、様々な道筋を通らなければなりません。
2.利用者のことを考えて進路選択は慎重にするべき
なぜ、そこまで慎重、かつこだわりを持つことが必要なのでしょうか。
いまの世の中は転職など当たり前という風潮があります。
当然、ホームヘルパーにも転職の自由は認められるべきであるし、実際に現場に入ってみたら自分の思っていた状況と違ったということもあるでしょう。
ですが、そのことを踏まえたうえで、なお進路選択には慎重さが求められます。
特に訪問介護の現場に言えることですが、利用者にとっては「いつも来る」ホームヘルパーが一番安心できる存在であり、慣れるに従ってちょっとした相談事もしやすくなります。
ヘルパーの側としても、コミュニケーションが密になれば、よりよい介護のための情報が吸い上げやすくなります。
このホームヘルパーが突然転職などで交代してしまえばどうなるでしょうか。
利用者は、いきなり見ず知らずのホームヘルパーに介護を受けることになります。
いくら引き継ぎができているからと言っても、利用者にとっては慣れない相手ですから、緊張がほぐれるまでに時間がかかります。
また、「何でも話せる相手」がいなくなることで、生活意欲が後退する恐れが出てくるかも知れません。
ホームヘルパーが一人辞めることで、利用者側に様々な影響が出てくることになります。
実際、馴染みのホームヘルパーが辞めた後で、「やっぱり前のヘルパーさんでなければ嫌だ」と頑なにサービスの受け入れを拒否する利用者もいます。
3.介護士・ホームヘルパーには社会的責任がある
転職するホームヘルパーに、様々な事情があるのもわかります。
例えば、給料が安くて生活に支障が出るとか、体力的にきついので別の仕事につきたいとか、こうした事情を抱えつつ、なお勤務し続けることは確かに難しいことでしょう。
しかし、だからこそ就業前にそこまで見据えて働き方を選択すべきです。
- 就業しようと思っている職場環境はどうか?
- 自分の望んだ働き方のできる所なのか?
- 給与はどれくらい貰えるのか?
- その給与で生活は成り立つのか?
これらの情報をしっかり集めることが、納得して働くための保障となります。
そのうえで、先々のビジョンまで想定して道筋をつけ、「こんなはずではなかった」と次々職場を換えたりすることを未然に防がなければなりません。
もちろん、深刻に考えすぎる必要はありませんが、特に若い人の場合、現実の生活よりも好奇心とバイタリティだけで飛び込むことも多いかもしれません。
それはそれで構わないわけですが、ただ、介護職というのは大きな社会的責任を担う仕事であるということです。
一度この仕事を選んだからには、誰もがその社会的責任を負わなければなりません。
これは重要なことです。
以上のことを踏まえたうえで、実際に就業までの道筋を引いてみましょう。
大切なのは、自分のビジョンをできる限り具体的に描いてみることです。




