利用者(要介護者)への虐待について

虐待のサインをどう察知し、どう対処するか

 介護職員は介護業務を行いながら利用者の心身の状態を常に観察するということが重要です。

観察することによって、利用者の心身の異常が早めに発見でき、大きな問題に発展しないよう手を打つことができるからです。

初任者研修の講義でも観察ポイントや方法について学ぶことになりますが、ここでは昨今問題になっている虐待についての重要な観察のポイントについて解説していきます。

以前から虐待の問題は発生しており、介護職員や家族からの虐待行為は後を絶ちません。

 訪問介護で利用者宅に訪問した際、一見して優しい家族であっても、第三者がいなくなり利用者と密室状態で1体1になった際に虐待しているケースも少なくありません。

実際のケースでは、身内の介護は「私がしっかりとやらなければいけない」という責任感が強くて真面目な家族ほど、介護で精神的に追い詰められた場合、つい虐待を行ってしまう傾向が強いのです。

他人から見ると「まさかこの優しい家族が・・・。」ということで虐待の事実が表面化しにくい原因にもなっています。

現在では介護離職など増加し社会問題になっていますし、一部の家族に介護負担が大きくのしかかっています。

そのような状況で家族が懸命に介護しようと思うほど、介護者本人にストレスと疲労感が覆いかぶさり、心身とも追い込まれ暴言や虐待という形で感情が爆発することに繋がってしまいます。

このような状況での虐待は特殊な問題ではなく、誰でもが当事者になる可能性があります。

「見えない虐待」を介護のプロとして、どう察知するか

 訪問介護サービスを利用している利用者を24時間ホームヘルパーが付き添って介助しているケースは、たとえ夜間巡回サービスでもまだまだ少ない現状があります。

なので、ホームヘルパーが定期的に訪問しているから虐待など起こっていないというような先入観を絶対持つべきではありません。

目の届かないところで起こっている虐待を発見するには、利用者宅に定期的に出入りしているホームヘルパーなどが虐待もありうるということを意識し介護のプロとしてしっかりと観察することが重要になってきます。

 また、虐待には目に見える身体的虐待と言葉の暴力や意図的に無視をするというような精神的虐待があります。

暴力などの身体的虐待の場合は、不自然なアザなどが利用者の身体にあり外見からも確認できるケースもあります。
食事をきちんと食べさせないといった類の虐待も、利用者の体調、顔つや、表情などを観察していると変だなと察知することがあるはずです。

精神的虐待の場合は、家族の様子、利用者の表情、他のヘルパーから引き継ぐ利用者の情報など、一連の要素を並べて考えていくとピンと察知できる時もあります。

職歴の長いホームヘルパーは経験上、察知するポイントを熟知しているので、これは虐待かもと察知した場合は、躊躇することなく即上司などに相談するべきです。

虐待行為を追及するよりも短期入所サービスなどの支援を活用する

 ホームヘルパーなどは、家族が利用者に虐待行為を行っている事実を確信した場合、心情的に家族の責任を追求しがちですが、これは家族を精神的にさらに苦しめることにもなりかねません。

虐待は精神的限度を超えた大きなストレスを抱えることで、利用者に強く当たったり、感情が爆発する場合が多いので、家族本人も最初から悪いことは十分認識しています。

虐待行為を即批判されると、他人に見つからないような巧妙なやり方で、さらに虐待がエスカレートすることも考えられます。

 なので、個人的に問題をえ抱え込むのではなく、上司又はケアマネジャーに連絡・相談することが重要です。

上司などと相談する中で、虐待の原因になった家族が抱えているストレスを理解した上で緩和する為の方法、また虐待を受けた利用者の安全の確保について検討し対応策を考えるようにしたいものです。

 一つの方法としては、短期入所サービスを活用し、家族の介護負担の軽減と、利用者の安全を確保するのが最善策であると言えます。

家族による虐待を察知するサイン

 利用者の家族の態度、利用者本人の態度・様子などを、次のような観点から観察することで虐待を察知できる可能性があります。

  • 不自然なアザが利用者の身体に見られる
  • 感情の浮き沈みが激しくなった
  • 表情が暗くなり生気がなくなってきた
  • ベッドから出たり、外出する意欲が無くなってきた
  • 食欲が無くなってきた
  • 家族が近くにいるだけで急に黙り込んでしまう
  • 次回訪問日をしつこく尋ねてくる
  • ヘルパーに視線で訴えかけるような表情をすることがある
  • 家族が考え込むようなしぐさを見かける時がある
  • ヘルパーに対して家族がやたら親切にしてくる
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