介護職が利用者から納得・同意を得る技法・ポイントについて

 介護職は、利用者の身の回りの世話を行いますが、利用者自身の状況や生活環境が変化すれば、今まで通りの介護方法と異なった適切なやり方に変える必要があります。

このような変更を行う場合は、自分勝手に変えるのではなく、利用者や家族に説明し納得してもらって同意を得る必要があります。

 しかし、今まで慣れ親しんだ生活環境や介護方法が変更になることに抵抗感を覚える利用者や家族も少なくありません。

このような場合は、もっと他に今のやり方よりも異なった良い方法や考え方があることを、わかりやすく丁寧に説明し、利用者に納得してもらえるように努力することが必要になります。

そこで、介護職は利用者の納得・同意を得れるようなコミュニケーション技法も理解しておくことは大切で、最終的に利用者の利益に繋げることができます。

納得・同意を得る4つのコミュニケーション方法

 介護職が利用者から納得・同意を得るコミュニケーション方法としては次の4つの方法があります。

明確化のコミュニケーション方法

 話す内容にまとまりがなく、抽象的な話し方しかしない利用者の場合は、本心で言っていることなのかどうかがわからない場合がありますので、本当に言いたいこと伝えたいことは何かを明確にするための会話術が必要になります。

この場合は、質問をしながら探っていきますが、一方的に質問ばかりしていると追求しているような形になり、内容が明確になっても、利用者に嫌な感情を抱かせることになってしまいます。

また、内心の感情や気持ちは、態度・表情・声調など言葉以外の伝達方法で表現されているケースが多くあるため、表面上の会話だけでは、言葉の背後にある本当の気持ちや感情を読み取ることは容易ではありません。

なので、利用者に共感を示しながら次のようなことに注意して明確にしていく必要があります。

  • 利用者の話に適度にうなずくこと。
  • 利用者の話しを聞き終わらない内に、非言語的手段で気持ちを理解したというようなメッセージを伝達しないこと。
  • 介護職が利用者の心の思いを別の言葉などで言い変えて表現し伝えること。

これらのタイミングを誤ると利用者との信頼関係や相互理解が薄くなってしまい、利用者の本心を明確にできず理解することが難しくなります。

焦点化のコミュニケーション方法

 利用者は何に重きを置いて話したいのか介護職は質問をしながらその内容に焦点を定め、介護職自身で理解吟味し、分かりやすく整理した後、利用者に投げかける会話術です。

このような会話技法を用いることで、利用者は複数の話題の中から、自分自身が本当に話したいことは何かを選びだすことを手助けすることにもつなげることができます。

但し、利用者への共感は必要で、表面上話を聞いているだけでは単に話しを整理してまとめてあげるだけになり、利用者の助けにはなりません。

たとえ認知症の方であっても体験された内容に共感し尊厳を保つ姿勢で理解していけば、お互いに深く理解し合い、利用者自身も自分の本当の思いを伝えることができるようになります。

要約化のコミュニケーション方法

 利用者の性格・状況・価値観など介護職が正確に理解していることが必要条件になりますが、利用者の話す内容や動機、抱いている感情や気持ちなどを全般的に理解し、要約して利用者にフィードバックする会話術です。

利用者が話す順番や何を重視しているのかを見極めながら介護織は話しを要約していくので、利用者にフィードバックする段階になると、利用者は最初話していた内容より自分でもわかりやすい内容になっていることが多くあります。

 介護職はこの要約作業を行う上で、利用者の言いたいことは、本当にこれで合っているのかどうか確信を持てない場合は、遠慮せず直接質問してみることも必要です。

このような姿勢は、利用者のことを介護職が真剣に考えているというメッセージになり、信頼を深めていくことにつながるため、お世話をする人お世話を受ける人という立場ではなく、信頼できるパートナーという人間関係を築くことができます。

また、認知症の方と会話し要約する場合は、一つずつの話を簡潔にまとめて伝えることがポイントになります。

直面化のコミュニケーション方法

 現在利用者が行っている言動を続けていくことで、今後他人や自分自身にどのような影響や結果を及ぼすことになるかを伝え、どうすれば良いのかということを利用者自身に気付かせる会話術です。

但し、介護職と利用者との間にある程度の信頼関係が築かれ、よい聴き手であることが直面化の場合には必要です。

 これらの前提条件が築かれていないまま、直面化したコミュニケーションを行うと、誹謗中傷されていると利用者に誤解され気持ちを傷付けることになりかねません。

直面化を不適切に用いると利用者との人間関係を悪化させることになりますが、適切に用いることで本音で話ができ、本当に気持ちや思いを理解してくれているということが利用者に伝わるので、さらに深い絆が生まれ、より良質で適切な介護を行うことができるようになります。

介護職が直面化のコミュニケーションを行う際に注意すること
  1. 利用者を深く理解し互いに良好な意思疎通がある上で直面化することが重要で、そうでない場合は利用者の心にダメージを与え人間関係が崩壊する恐れがあります。
  2. 直面化する場合は、利用者との信頼関係・理解・自己開示などの度合いや状況に準じて、適宜、適切に判断してコミュニケーションをとることが必要です。

    そうでない場合は、利用者の気持ちや立場を考えず、一方的に批判していると誤解されたメッセージとして伝わることになります。

  3. 利用者をうやまい尊重する気持ちを持ち、介護職である前に人としての言動ふるまいを厳守するという姿勢を根本に持った上で直面化することが重要です。
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