介護職が利用者の意欲を引き出す為の技法・ポイントについて

利用者の意欲低下の原因を探る

1.利用者の意欲低下を察知する

介護職は、利用者が普段より物静かになり言動が減少してくると意欲低下を疑うべきです。

利用者の意欲低下を早めに察知するには、次のような利用者の言動の変化に気づくことが重要になります。

  • 毎回欠かさず参加していたイベントなどに参加しなくなる。
  • 服装や外見に気をつかわなくなる。
  • 人とほとんど話さなくなる。
  • 今まで自分でも出来たことを他人にまかせるようになる。

言動の落ち込みとともに,「今直ぐ死にたい」というような言い方で自分の苦しさを吐露してくる可能性もあります。

この現象は利用者からの一番大事な発言であり,意欲が低下しているシグナルの可能性があります。

けれども,言葉の意図そのものを真に受け自殺願望を有していると拙速に判断せず,発言に秘められた利用者の心の内を見定めることを心掛けることが大切だと考えます。

2.利用者の意欲低下の要因を考察する

利用者の意欲が低下していることに勘付いたと思うなら,実際に意欲低下を誘発している背景にあるのはなんなのか、次のような要因についてしっかりと考察してみましょう。

コツは,利用者本人や利用者の家族、本人が関わる周囲の環境などの変化に焦点を当てて考えていきます。

  • 利用者本人の変化
    利用者は現在に至るまで自然に実行できていた行動が病気や加齢の影響で認知的・身体的な機能の衰えなどが切っ掛けで実行できず、家族や自分以外の人に頼らざるを得なくなり、そうでないと自立して生活していけないと痛感した経験を重ねる。
  • 利用者の周囲環境の変化
    病院での入院や介護施設への入所による別居生活、家族が亡くなった時は、現在に至るまで築いてきた家族との厚い信頼関係が消失するだけでなく、家庭の中で家族に対して行ってきた役割を失うことにもなる。
  • 利用者の家族関係の変化
    経済面、身体や精神面での機能の衰えは,今日に至る迄の子どもと親や夫と妻の役割や責任分担の関係をがらりと変えるケースがある。

    また,今日まで果たしてきた役割を損なっていく過程で、ネガティヴな感覚に襲われるケースがある。

利用者の意欲の引き出し方

1.利用者の感情に共感する

既に意欲低下してしまった利用者は,そこに至るまでの過程で絶望感,閉塞感無力感などいろいろな気持ちの変化を感じています。

介護職は利用者の気持や感情について具体的な場面を想像し、その時どんな気持ちであったか、利用者の視点で考えることが大切です。

そして,介護職は自分が感じた思いを言葉や身振り手振りなどの表現能力を使って利用者に伝達します。

すると利用者は自分のことを理解してくれる人がいるということが認識できただけでも,意欲を引き出すことを可能にするでしょう。

2.利用者の人間関係を活用する

他人とも自分は結び付いているという実感が人間は必ずと言っていいほど欠かすことはできません。

これまでの人間関係の強化や新たなる人間関係の確立に努めましょう。

多くの体験をしてきた一人間として利用者に接し人間関係の構築につなげることが重要です。

また,今までにはなかった関係を同じ施設の利用者同士で築くことも想定されます。

このようなケースでは,利用者個々の認知状態や向き不向きを勘案した上で,状況に応じて関係を形づくれることを意識して誘導していきます。

家族や友人と利用者が疎遠の状態であるとすれば,家族や友人に利用者の状況を日常的にお聞かせして,利用者と気軽に関われるようにそれ相応の役割を引き受けていただくことを通じて,双方の意思疎通を活発化することが可能です。

3.利用者の自己決定を尊重する

利用者のやる気を呼び起こす場合でも利用者が自分の意志で決定するという力を重んじるのはホントに肝心だと言えます。

要介護者が日常生活をする場合、その多くは家族や介護職など介護側が要介護者に指し図や生活全般のコントロールを行う機会が多くなります。

要介護者からすると、自分自身の日常生活なのに,他人に管理されているという納得しがたい感情が心にあるのではないでしょうか。

知的障害や認知症によって物事の判定能力が衰えている時でも,介護職は当初から出来ないと決めつけずに,例えば飲み物を飲む場合「お茶にしますか?ジュースにしますか?どれを飲みたいですか?」などと声掛けをすることが大切です。

4.利用者本人の強み(ストレングス)を活かす

どんな利用者であっても色々なストレングス(本人の強み)を持っているものです。

利用者の生活履歴や家族からのヒアリングなどから利用者本人の強みを知り、日常生活で有効に活用できるような環境を提供していきましょう。

果物を切る、洗濯物を干す、お茶を注ぐ、テーブルを拭くなど,些細なことでも利用者ができること関心を持つことができる場を提供します。

そして,「おいしいお茶が飲めるのもAさんのおかげです。」と,利用者自身が本人の強みや良さ(ストレングス)を自覚できるように言葉を交わします。

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