移動用の福祉器具の種類、介護職が心がける健康管理について

要介護者が移動で使用する福祉用具の種類

 要介護者が社会と接点を持ち続けていくためには、自分にあった杖・歩行器・車いすなどの選び方を知り、安全に移動できる手段を確保することが大事です。

自分に合った杖の選び方

 自分の身体に合った杖を使用しないと、疲労が蓄積し予期せぬ事故の原因となります。 自分の体に適した長さの杖を使用するようにしますが、握力の強さなどよっても、適した杖の種類は異なります。

杖を選ぶ際のチェックポイントは下記の通りです。

  1. 握り部分が安定していること。
  2. 材質が固く丈夫でしっかりとしていること。
  3. 杖をつく部分にすべり止めゴムなどが装着されていること。
  4. 膝をついた場合に肘を軽く曲げれる程度の長さであること。
  5. 腕を下げて直立した場合に手首の位置にあること。

自分に合った介護シューズの種類と選び方

 履きやすく軽いのが介護シューズの特徴ですが、自立度が高い高齢者は、健常者が一般で使用する靴を履くほうが適している場合があります。

介護シューズには、靴底はゴムが貼ってありすべりにくくなっており、布製で軽く履きやすいリハビリシューズと、足の甲にあたる部分がゴムで伸縮し、履くやすくなってシューズがあります。

また、自分の足に合ったものを提案してくれるシューフイッターが在籍している靴販売店で購入すると一番安心です。

シルバーカーの選び方と注意点

 シルバーカーは、外見上ベビーカーと似ていますが、高齢者の方がよく使用するもので、ショツピングカーと杖の機能を兼ね備えた手押しカートのようなものです。

但し、ブレーキが無いものもあり、坂道での転倒や歩行者飛び出し時に急停止ができず、事故に繋がる場合もあります。

ハンドルの位置が低すぎると、腰を曲げて押す態勢になり負担がかか場合もあるため、使用する時は自分に合うものを選ぶことが大切で、安易な使用は控えたいものです。

車イスの種類と利便性

 車イスには自分で動かすこともできる自走用と他人に押してもらえる介助用があります。

電動車イスの場合は、行動する際に車輪を自力で回す必要がなく、広範囲の移動が可能になります。

電動三輪車は、スクーターとよく似ていて安定感があり、操作も簡便で脚力の衰えた高齢者にはすごく利便性に優れた移動手段になります。

介護職員の健康管理について

 介護職にある方は、栄養バランスに配慮した食事、リラクゼーションや熟睡できる工夫など、心身共に健康を維持できるよう常に心がけることが基本です。

介護職員の腰痛予防

 介護の仕事に従事している関係者は、要介護者の移動介助時などに中腰の姿勢で高齢者を支えることも多く、ボディメカニクスの原理を無視して力任せに介護を行っていると腰痛を発症し悩まされることになりかねません。

ボディメカニクスの基本は介護職員初任者研修でも習うので、よく理解し余計な負担を腰にかけないような姿勢で動けるように意識して介護を行うようにしましよう。

まず知識として理解し、重心のかけ方などコツを覚えると簡単で腰痛予防に役立ちます。

介護を行う際の腰痛予防のコツ

  1. 重心を落とし膝の力を緩める。
  2. 出来る限り自分の近くで利用者を支えるようにする。
  3. 腕力だけで支えようとせず、身体全体を使って支える。
  4. 利用者や物を持ち上げる場合は、上体を垂直に保ちながら行う。
  5. テコの原理を利用して抱き起こす。
  6. 声かけを行い利用者に協力してもらえるようにする。
  7. 一人で無理せず、必要な場合は助けを求める。
  8. 介助を行う場合は急激な動きはしない。

介護職として心身の健康を保つには

 赤の他人である利用者のお世話をするのが介護職の仕事なので、介護職自身が不健康では良質な介護サービスを提供することはできません。

介護者の体調が悪く疲労が蓄積していると、思わぬ事故が起こる可能性があります。

最低限、次の3点に留意し健康維持を図り、笑顔と元気な姿で介護の仕事に就くことが出来るように心がけましょう。

  • 栄養が偏らないようバランスのとれた食事を摂るようにする。
  • 休息は仕事の合間を利用し、睡眠は熟睡できるよう工夫して疲労回復を図れるようにする。
  • 不安や悩み事などの問題があれば、上司や同僚など周囲にすぐ相談し、落ち込んだり、ストレスを抱え込まないようにして、暗い気分は早めに切り替えるようにする。

介護職としての感染予防の注意点

 ホームヘルパーなどの介護職は、健康に留意し抵抗力を高め、自分がインフルエンザなどに感染しないようにすることも重要ですが、高齢者など抵抗力が衰えた方の身近介護を行う仕事であることから、自分が感染を媒介することのないよう十分な注意が必要になります。

院内感染でよく話題に挙がるブドウ球菌(MRSA)などのケースでは、健康な状態であれば保菌していても発症しませんが、高齢者などの抵抗力が弱っている方が感染した場合、抗生物質の効果が薄く命に係わる場合もあります。

 特に訪問介護の場合は、複数の利用者宅を訪問するので、自分が保菌者となり感染媒介しないよう常に感染予防を意識し、作業前後の手洗いの励行を心がけます。

感染症の方を介護する場合は、各利用者専用のエプロンやタオルを使用し、必要に応じて手袋を着用するなどして、使用後はビニール袋に回収した後、消毒又は洗濯を行うなど、注意を怠らないようにすることが必要です。

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