高齢者のための制度とは
高齢化社会と高齢社会の違い
高齢化率とは、65歳以上の高齢者が全人口に対して占めている割合のことを指します。
高齢化社会は、65歳以上の高齢者の占める割合が全体の7%を超えた状態を指します。
高齢社会とは、この割合が14%を超えた状態のことを指します。
日本では、この割合が15%弱の高齢化率に達したのは1995年で、現在も急速に高齢社会が進んでいます。
実際7%の高齢化社会から14%の高齢社会に突入するまでは、わずか四半世紀の25年程度しか経っていません。
海外の国と比較してもドイツが約40年、アメリカが約70年、フランスが約115年経過してやっと高齢社会に変化してきたことと比較すると驚異的な速さです。
この異常とも思える社会環境の変化と高齢者介護に対応するため、2000年に入って介護保険制度が整備されました。
介護保険制度は、以前、老人医療と老人福祉の2制度で運用され複雑で分かりにくかった制度を一本化し統合したものです。
基礎年金制度には全国民が加入
1986年から基礎年金制度が施行されましたが、それ以前は、国民年金、厚生年金、共済年金と年金制度は完全に区分されていました。
基礎年金制度では、日本に籍がある20~60歳の全国民は国民年金の基礎年金に加入する必要があり、この基礎年金に上乗せして、厚生年金や共済年金がプラスされる仕組みになっています。
国民年金加入者の種別
第1号被保険者:
国民保険だけが公的年金になり、自営業者、農業従事者、学生などが該当します。
第2号被保険者:
厚生年金や共済組合に加入し、国民年金にも加入している企業勤めの会社員や役所勤めの公務員などが該当します。
第3号被保険者:
第2号被保険者の扶養家族が該当します。
生活保護制度とは
生活・教育・医療などの援助を行い健康的・文化的な最低限度の生活を保証するという日本国民の権利を守る目的で生活保護制度が設けられています。
実際の生活保護受給者は高齢者が多いようですが、近年は高齢層以外の年代も増加しています。
高齢者のためのサービス事業とは
高齢者総合相談センターについて
専門職員に医療、保健、福祉などに関する悩みや心配事を料金無料で相談できます。
通称シルバー110番のことで、全国各地からプッシュ回線を利用して「#8080」で相談できます。
シルバーハウジングについて
高齢者に易しい設備やバリアフリー化など生活環境が整備された自立度の高い高齢者向けの集合住宅です。
生活援助員により生活に関するアドバイスやサポートも行っており、緊急時の連絡網も整備されています。
障害者のための制度とは
障害者福祉制度の目的は、社会的に自立できるよう支援を行い、地域で日常生活が送れるようにすることです。
障害者手帳などが障害者には交付される
障害者手帳などが障害者には交付され、等級区分が記入されています。
精神障害者保健福祉手帳とは
精神障害者本人からの申請によって「保健手帳」という名称で作成し交付されます。
保健手帳という名称にするのは、本人のプライバシーを保護することが目的です。
身体障害者手帳とは
身体障害の程度は、1~6級の等級に区分され身体障害者手帳に記載されます。
身体障害者手帳の交付対象は次に該当する障害がある方です。
- 視覚障害
- 聴覚または平衡機能の障害
- 音声・言語または咀嚼機能の障害
- 肢体不自由
- 心臓、呼吸器、腎臓、膀胱、直腸又は小腸などの内部機能障害
療育手帳とは
療育手帳の交付対象は知的障害者になります。
各障害者別の主な制度の種類
障害者に提供されている主な在宅福祉サービス、施設福祉サービスの各制度には、次のようなものがあります。
対象 | 在宅福祉サービス | 施設福祉サービス |
身体障害者 |
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知的障害者 |
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精神障害者 |
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障害児 |
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更生医療の給付とは
身体能力をアップさせ日常生活を行えるようにするために、身体障害者が負っている障害を軽減させたり排除したりすることを目的とした医療行為を指します。
次に該当するものについては、全額又は一部、医療費補助が受けれます。
- 心臓障害者のペースメーカー埋込
- 腎臓障害者の人工透析
- 視覚障害者の角膜移植
- 聴覚障害者の外耳道形成手術
- 肢体不自由者の人工関節埋込 等