障害の種類・症状・認定等級・交付手帳、生活習慣病と難病の疾患について

 介護職員初任者研修を修了し、介護職として働くホームヘルパーや、将来的に介護福祉士を目指す方は、障害についての基礎知識をしっかりと理解しておく必要があります。

障害の種類と状態

 身体障害者、知的障害者、精神障害者という言い方を総じた名称を障害者と呼び、中でも身体障害者は5つに区分され認定されています。

また、障害者は18歳以上の対象者を指し、障害児とは18歳未満の対象者のことを言います。

身体障害とは

 身体障害とは下記の5種類が身体障害者福祉法において定義されています。

  1. 視覚障害
  2. 聴覚または平衡機能の障害
  3. 音声機能、言語機能、咀嚼機能の障害
  4. 肢体不自由
  5. 内部機能障害

これらの障害を抱えている方は、1級から6級まで障害の程度によって区分され、認定を受けた方には、身体障害者手帳の交付が行われます。

いくつかの障害を重ねて抱えている方の等級認定については、全部の障害を合算した指数により決定されます。

重度・重複・重症による障害の分類

 障害にも重度・重複・重症により、次のように区分されています。

  • 重度障害者(児):単一の障害しかありませんが障害の程度が重い人を指します。
  • 重複障害者(児):同時に複数の障害がある人を指します。
  • 重症心身障害者(児):重い障害が身体と精神の両面にある人を指します。
内部機能障害とは

 内部機能障害とは身体障害を抱えている人の中で、内臓や機能に障害がある方を指し、身体障害者福祉法で次のような障害が対象となっています。

  • 心臓、呼吸器、腎臓、膀胱、直腸、小腸の機能障害
  • 人免疫不全ウイルスによる免疫機能障害

また、内部機能障害がある方は、外見上からは認識できないので、周囲の方から理解を得られない等の悩みを抱えている方も多くいます。

知的障害とは

 知的障害の基準については、はっきりと定義付けされていませんが、知能指数(IQ)75以下で知的機能に障害があり、援助が無ければ日常生活を送ることに支障が生じる方を指します。

また、療育手帳が知的障害者には交付されることになっています。

精神障害とは

 精神障害者とは、精神保健および精神障害者福祉に関する法律により、次のような症状や疾患がある人が対象となると規定されています。

  • 知的障害
  • 精神病質
  • 精神分裂症
  • 中毒性精神病
  • その他の精神疾患

精神障害者は1級から3級に区分され、認定は2年毎に見直され、精神障害者保健福祉手帳の交付が行われることになっています。

世界保健機関での障害の分類

 WHOでは、心身の器官や機能に異常や喪失があることを機能障害といい、その障害により活動能力に不利が発生することを能力障害と言います。

また、その結果、生活を送る上で不利益を被ることを社会的不利といいます。

例を挙げると、野球選手が手足を骨折することを機能障害といい、ボールを投げたりバットで打ったり走塁したりすることができなくなる状態を能力障害といい、これらが原因で野球選手生命を絶たれることが社会的不利となります。

疾病の種類と状態

 疾病には、食事の摂り方や運動の仕方など日々の生活状況が影響する生活習慣病や、現段階では原因や治療法が解明・確立されていない難病に大きく分かれます。

難病は、厚生労働省によって指定疾患されている病気が対象となります。

生活習慣病とは

 食事、運動、喫煙、飲酒、休養などの生活習慣を起因として発病に関与する疾病群が生活習慣病と言われるもので、1996年に公衆衛生審議会で定義付されています。

癌、糖尿病、高血圧、心臓病、脳血管疾患、高尿酸血症、骨粗穀症などは生活習慣を起因として発症する代表的な生活習慣病とも言われています。

4つの代表的な生活習慣病とは

 日々の生活習慣が病気に大きく影響することがわかっているので、健全な生活習慣を身に付けれるよう見直すことが生活習慣病を予防するためには重要となります。

生活習慣病 病状
糖尿病

食べすぎによるカロリーのとりすぎ、運勣不足などの生活習慣が大きく関係するのが糖尿病という病気です。

インスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型絶尿病の2つが糖尿病にはあり、中年以上になると数十人に1人が発症する可能性があるとも言われています。

高血圧

アルコールや塩分を摂りすぎたり、適度な運動習慣がなかったり、日常からストレスを抱え込んだりなどの生活習慣を続けていると高血圧になりやすいと言われています。

脳卒中や心臓病などは、この高血圧の状態を長期間放置することにより、動脈硬化が進展し発症すると言われています。

高尿酸血症

人の体内でプリン体が利用された際に生じる老廃物を尿酸といい、血液中に占める尿酸濃度が高くなる病を言います。

関節などの部位に尿酸が滞積すると、激痛を感じる時があります。

体内の水分が少ない場合は尿量が減少するため、体外に尿酸がスムーズに排出されにくい状態になるため、発汗機能が活発な方は、十分な水分摂取を心がけることが大切です。

特に高尿酸血症は男性に多く、よく食べる方は要注意です。

骨粗穀症

閉経後の女性に骨粗穀症が多く発症しており、骨密度の低下により骨が脆くなり、少し転んだだけでも骨が折れてしまうことも少なくありません。

成人の1日当たりのカルシウムの標準摂取量は750mgくらいですが、日々の適量摂取と、適度な運動を心がけることが大切です。

難病とは

 現在医学では発生原因が不明で治療法も確立されていない病気のことを、厚生労働省は難病(特定疾患治療研究対象疾患)と定義しています。

難病と認定された患者は、医療や介護の公費負担や保険給付を受けることができ、ホームヘルパーによる介護、福祉用具給付などの支援対象になります。

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