介護職が行う調理の援助手順と注意点

調理の援助の手順

調理の援助法

介護職が訪問先で調理の援助を行う際は次のような順番で進めていきます。

1.献立の決定

調理を介護職とともに利用者が行えるかどうかは、利用者が自分の食べたい料理メニューを伝えることができるかどうかにかかっています。

自分から食べたいものを伝えられることは、自立への切っ掛けになります。

自分が食べたいものを決められない、言いだせない利用者の場合、介護職は冷蔵庫やキッチンに保存されている食材や季節物の食材などに関して会話し、利用者本人が決めれるように導きます。

ただし、自立や自己決定に固執しすぎて無理に決めさせるような行為はしてはいけません。

利用者の状態や気持ちをよく考え、利用者が自分で決められない場合は、複数の料理メニューを提案するなどの工夫を行います。

献立の立て方
  1. 主食を決定する
    お米、パン類、めん類など
  2. 主菜を決定する
    肉類、魚類、卵類など
  3. 副菜を決定する
    野菜類、芋類など
  4. 汁物・飲み物を決定する
    味噌汁、野菜スープなど
  5. デザートを添える
    果物、プリンなど

2.食材や調理器具の確認と準備

利用者や家族が必要な食材などを自分で調達できるかをチェックします。

利用者に過度な負担が掛からないように、例えば買い物に行くのか、宅配してもらうのかなど、自立できるような方法を考えていきます。

食材が調達できれば調理に必要な器具を選定し、調理器具を準備し揃えます。

このとき、訪問先に必要な調理器具が置いてなかったりする場合もありますが、調理器具の使い方などの知識を活かして、調理手順を入れ替えたり、代用できそうなものを工夫し活用することも必要になります。

3.下準備

食材が揃えば調理の仕方を決定し、下準備を行います。

調理に時間がかかる場合、そのほとんどは野菜を洗ったり、皮をむいたり、切ったりするなどの下準備です。

調理に適した食材の切り方は、学んだ切り方の技術を活かします。

この下準備のプロセスでは、利用者が参加できることが多いので、介護職は利用者に障害があっても認知症でも包丁を使用できる方であれば、切ってもらったり皮をむいてもらったりしてもらえるように声掛けをしていきましょう。

野菜の基本的な切り方
野菜の基本的な切り方
引用元:キッコーマンのホームクッキングより

上記画像の野菜の基本的な切り方については、キッコーマンのホームクッキングで動画を見れますので参考にして下さい。

4.加熱調理・味つけ

調理過程において、味つけは美味しさを決定する重要ポイントで、利用者も気軽に参加できるところです。

介護職は調味料を加えるタイミングや分量を利用者に確認しておきます。

その通りに介護職が味つけした場合も必ず利用者に味見チェックをお願いしておきましょう。

介護職は濃いめに味付けしたと思っていても、利用者から「これでは味が薄く美味しくない」などと不満を言われるケースも少なくありません。

味覚は個人によって異なるということを基本的に認識しておくべきです。

調理の加熱方法と特徴
湿式加熱(水を使った加熟)
  • 煮物
    常圧:100℃で煮汁加熱、圧力鍋:110〜120℃で加熱、短時間で調理完了。
  • 蒸し物
    水蒸気潜熱による加熱
  • ゆで物
    多量水中での加熱。水に食塩、酢などを加える場合あり。
乾式加熱(水を使わない加熱)
  • 焼き物
    直火と間接での焼き方あり。焼き面は硬くなる。
  • 揚げ物
    多量油中での加熱。衣揚げ内部は素材の味と水分を保持。
  • 炒め物
    食材の1割弱の油での攪拌加熱。高温・短時間調理により、熱に弱い水溶性・ビタミンなどの栄養素損失が軽減される。
誘電加熱(電子レンジ加熱)

マグネトロンという特殊な真空管から発射するマイクロ波に属する極超短波により、高周波電界を形成します。

この電界中に水分を含んだ食品をおくと、食品中の水分子が振動を起こし、その運動で熱が生じて食品自身が発熱します。

電磁誘導加熱(電磁調理器加熱)

電磁波による誘導加熱を利用して調理器具に熱を発生させるため、ガスコンロのように火は使いません。

調理器本体は発熱せず、硬質セラミックのトッププレート上に使用可能な鍋やフライパンをのせると、電磁力の作用で器具だけが発熱して段階的な温度調節が持続可能です。

5.盛りつけ・配膳

食器を選んで料理の盛りつけを行いますが、この盛り付けは、各自の食生活のこだわりが表現される場でもあります。

自分が好きな食器で食べると気分良く食べることができますし、同分量のおかずでも、大皿を使用した場合と、小皿を使用した場合では、おかずの量が違うように感じます。

大皿では「おかずは少ないから残さず食べられる」、小皿では「おかずが多いから食べられない」など食欲にも関係する場合があります。

6.後片づけ

食器をテーブルから回収し流し台に下膳して洗剤で洗います。

食器を棚などに収納する際は、下段に重い食器を、毎日使う食器は中段など取り出しやすい段に収納します。

決まった収納場所を決めておけば、使いやすく管理も楽です。

調味料や乾物は、湿気防止と残量確認できるよう透明でチャック式の密閉容器に入れて、使いやすい場所に保存しておきます。

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