身体介護・生活支援が介護現場での主な仕事になりますが、介護職は身体介護を行う場合、ボディメカニクスの基本原理や麻痺による障害の程度、身体の関節可動域、人の自然な動作などについて理解しておくことで、無理なく安全に介護を行うことができます。
ここでは、移動と移乗の介助法・介護技術について解説していきます。移動・移乗の介助法|介護技術記事一覧
介護に活かすボディメカニクスの基本
ボディメカニクスを活用するにはボディメカニクスとは何か? 神経・筋力・骨格・関節の各系統が相互に連携し合うことができなくなり、どこかに支障が発生すると、自分の思うとおりの動きが正確にできなくなり運動機能が正常に働かなくなります。ボディメカニクスとは、以上のような身体機能の諸系統の相互関係を総称したも...
麻痺の程度と関節可動域
残存能力を把握し自立支援を行う 身体に拘縮や麻痺がある利用者は、ほとんどの場合、移動・移乗介助を必要としている方が多くいるので、介護職はその麻痺の程度に応じた介助を行えるよう検討する必要があります。そのためには、麻痺の種類や関節の動きなどについての基本知識をしっかり理解しておくことが重要です。麻痺の...
移動・移乗の介助を行う意義と目的
移動行為の目的・意義・役割とは移動するということの目的や意義・役割には次の4つの理由があると考えられます。日常生活を維持するための行為 人が生きていくために欠かせない基本的な行為が食事と排泄で、栄養を摂取し、老廃物を排泄しなければ生きていくことができません。また、洗面や歯みがきやなどの整容や入浴によ...
歩行の介助を行う意義と目的
歩行する目的と効果 人が歩くという行動を起こす場合、自分の意思で行き先を決定し、周囲の状況を目で見て確認し、音を聞き分け、エレベーター・エスカレーター・手動式横断歩道などでは設備に手で触れて、安全に気を配りながら歩いていきます。歩行することで、身体的には筋肉や骨を使い機能低下を防いだり、全身に血流が...
歩行の介助法
歩行の介助法(自立度が高い場合)介助の視点両手両足に麻痺などの障害がなく、単に加齢によって少しふらついたりしている高齢者の場合は、歩行補助具を使用する必要がない人がほとんどで、比較的自立度が高いと言えます。但し、歩く場合に若干のふらつきがあるので、介護職員の見守りが必要となりますが、現状の歩行機能を...
車いすの介助を行う意義と目的(要介護者用)
車いすの介助の目的と留意点 歩行機能の衰えや障害により歩くことが困難になった人が移動する手段として車いすが使用されています。しかし、車いすを介護の観点から考えてみると単に移動するためだけに使用されているわけではなく、福祉用具の中でも重要な役割を果たしています。身体機能の衰えや障害、病気などで移動が困...
車いすの基本構造・機能・安全点検(要介護者用)
車いすの基本構造・機能・点検項目 介護職員は、基本的な車いすの構造や機能については学習し理解しておくことが重要です。車いすの介助を行う場合は、使用する前に機能や外観に異常や問題がないかの安全点検を必ず行い事故が起こらないようにする必要があります。もし、点検を怠り車いすが原因で事故が発生すれば賠償問題...
車いすの理想的な選び方(要介護者用)
調節機能がある車いすを重視して選ぶのがポイント 座れる、移動できるということが車イスの主な機能になりますが、車いすを選ぶ場合は、移乗のしやすさも重要な判断材料になります。自力歩行が困難な利用者は、ベッドから車いすやポータブル便器へ乗り移ったりするケースが多くあります。なので、車イスは、座りやすさ、移...
車いす介助の楽な操作方法・コツ(要介護者用)
車イス操作のポイントを押さえコツを習得する 自力歩行が難しい利用者にとっては、車イスを使用することで、活動範囲が広がり安全に外出できる有効な方法です。但し、介助者などが車イスの正しい操作方法を知らず、移動するのは大変だということで、外出することに消極的になる場合もあります。そんな方は、ぜひ車イスの楽...
車いす・ベッド間の移乗介助法(要介護者用)
車いすへの移乗介助を行う際の視点 軽度の麻痺や筋力の低下などがあっても、なんとか自分で動くことができ自立意識が高い利用者に対しては、本人のできるという意志を尊重し、時間がかかっても自分で移乗してもらうようにします。車いすの準備や片づけのみを介護職員が行い、車いすへの移乗は見守るようにし、なにか危険が...