介護職員初任者研修では、具体的にどんなことを学ぶのでしょうか?
スクールや研修機関が学習カリキュラムの詳細について、それぞれで作成しています。
ただし、「このような内容にすることが望ましい」という指針(ガイドライン)を厚生労働省が提示しているので、ほぼ全てのカリキュラムがこの指針に基づいて作成されています。
例えば、介護職員初任者研修についての指針は、介護職員初任者研修の受講内容に示した通りです。
研修過程のおおまかな流れをこの指針に沿って見ていきましょう。
介護福祉の仕事を志す者が絶対に押さえておくべき基本知識
最初に介護福祉業務に携わる上での基本的な考え方として、「ケアサービスの意義…介護はなぜ必要なのか」、「福祉の理念…福祉とは何なのか」、といったことに関して、介護・福祉の現場で働くことの動機づけに結びつく知識を学ぶことががまず重要です。
実際の初任者研修の講義では、「ノーマライゼーション」、「自立支援」、「QOL(生活の質)クオリティー・オブ・ライフの略)など、介護・福祉に携わる者として学ぶべき必須知識があります。
このような意義や理念と同時に介護に対する姿勢も学習することになりますが、すべてのスタートラインとなるので、基本的なことは理解するように努めるようにしましょう。。
介護業務を行なっていくうえで、いかに利用者の人格や習慣などを尊重した介護ができるかという土台を形成していくための学習期間と考えればいいでしょう。
介護福祉制度と介護サービスの位置づけ
次に介護福祉制度の仕組みや内容などについて具体的に勉強していきます。
講義では介護保険制度だけでなく、人権擁護にかかわる成年後見制度、年金制度、医療保険制度、生活保護などかなり広範囲にわたって学習します。
介護福祉業務に今後かかわる立場であれば、社会経験が浅く、たとえ難しい講義内容であっても常識的なこととして理解しておくことが大切です。
まず社会制度について全体的に一通り把握したら、次に介護サービスなどについて学んでいきます。
例えば、介護サービスの介護保険における位置づけや、介護サービスの具体的業務はどのようなものか、さらには介護士・ホームヘルパーが介護業務を行う上でどのような職種と連携していかなければならないか、などといった事について個々に理解していくことになります。
また、介護士・ホームヘルパーが直接サービスを提供する相手は人であるので、倫理感というものを必ず身につけ自身を厳格に処していくことが求められます。
特にこの点については、講義の中で具体的にどのような倫理観が必要なのかということについて詳しく学んでいくことになります。
改めて学ぶ中で、当たり前のこととしてつい簡単に受け流してしまいがちになりますが、利用者のプライバシーの保護や人権について再確認することで新しい気づきがあるに違いありません。