コミュニケーションを介護職が学ぶ意味とは
人と人とがコミュニケーションを取ることで家族や他人と関わり合い、社会生活を送る上で必要な人間関係を築くことができます。
一方、心身に障害などを抱え介護を必要としている高齢者などは、コミュニケーションをスムーズに取れない方もおり、その能力にも差がありますが、他人に対して自分の思いや考えを的確に伝達することが難しいケースも多くあります。
なので、介護職にはコミュニケーションが上手く取れない利用者に対する適切な接し方と介護方法を学ぶことが必要になります。
自分、他人、グループ、集団、組織、団体、地域などが人がコミュニケーションを取る対象となりますが、介護の場合は利用者と介護職が一対一の対人関係を通して行われるコミュニケーションになります。
介護職は利用者の日常生活というプライベートな空間で密に接する存在として、コミュニケーションを重ねながら共に多くの時間を過ごしています。
このことから、適切な介護サービスを提供するためには、日頃何気なく行っている人との接し方や会話の仕方などコミュニケーションの取り方を再度見つめ直すことも大切です。
介護職は良質な対人援助を行うために自身を理解することが重要
コミュニケーションが果たす機能には次の様なものがあります。
- 意見や意思などの情報を相手に伝達する。
- 人との交流関係を促進する。
- 意思疎通を図り互いの理解を深め合う。
- 良い交流関係により互いに信頼を構築する。
良質な対人援助サービスを提供するためには、介護職は利用者の性格・習慣・生活状況をよく理解するだけでなく、自分自身の性格や他人と接する場合のクセなどをよく認識しておくことが必要になります。
介護現場で利用者と接しながら介護の仕事を行う日々の対人関係の中に、実は自分を正しく理解する機会がそこら中に眠っています。
なので、意識しながら業務に携わることで、いろいろと今まで気づかなかった自分の内面を発見することも可能です。
効果的にコミュニケーションを行うための基本ポイント
介護職が現場で求められる人としての温かみや有効的なコミュニケーションの基本事項としては、次のような内容が挙げられます。
- 自分自身の心の内面を見直して、自分自身の概念を明確に持つ。
- 相手に伝達したい内容は分かりやすく明確に表現する。
- 利用者が自己開示するステップの理解や介護職自身も自己開示を適切に行う。
- 利用者や家族の意見や意思をしっかりと受けとめ聴き入れる姿勢とスキルを向上させる。
- 自分の感情を素直に受け止め否定せずそれを認める姿勢をもつ。
- 日常の介護の中で共感の基本的応答を組み入れる。
- いろいろな状況に対応できるように質問方法や役割に熟達する。
日々の社会生活を通じて、人は対人関係を形成し、他人との交流を行うことを通して自分の意志や思考を確立させていくものですし、その中で形成された「自分はこういう人間である」という価値観が介護の仕事を行う際にも影響してきます。
また、介護職として高齢者の介護に関わる場合は、たとえ高齢になっても人は学び続け変わることが可能で、何事に対しても責任を持って行うことができるということを、しっかり認識しておくことが重要です。
このような視点を持っておくことで、介護に携わる者として人間味のある効果的なコミュニケーションを行うことが可能になります。