在宅介護を支えるのは訪問介護サービスだけではない
ここでは、介護士が活躍する在宅介護サービスの仕事内容について詳しく見ていきましょう。
介護職員は、医療機関や介護・福祉施設などでも多く働いていますが、在宅介護サービスに携わっているホームヘルパーの仕事内容に絞って紹介したいと思います。
在宅で生活をしている利用者を対象に介護サービスを提供することを在宅介護サービスといいます。
次のような内容に在宅介護サービスは大きく分類されます。
- 訪問型サービス…自宅を訪問し利用者に介護サービスを提供するサービス
- 通所型(デイ)サービス…日中、施設へ利用者に通ってもらい提供するサービス
- 短期入所型(ショートステイ)サービス…在宅を基本として施設へ短期間だけ入所できるサービス
在宅介護サービスというと、ほとんどの方が訪問型サービスのことだと思われる方が多いですが、在宅介護を継続していくには、上記の3種類の介護サービスが整ってこそ満足できるサービスが提供できるものだということです。
在宅介護は訪問型介護サービスだけでは支えられないのが現状
近年問題になっているのが「老老介護」といわれるものです。
少子化の影響で高齢の夫を高齢の妻が介護したり、80代の年老いた両親を60代にもなった子供が介護するなどということが多く見うけられるようになってきました。
介護する側も高齢になっている世帯では、ちょっとした移動やオムツ交換にしても、短時間とはいえ毎日繰り返されることから、相当な身体の負担、心のストレスになるというケースも少なくありません。
現実的には、家族の力だけに頼ることはできず、介護を十分に行うことはかなり難しい状況です。
そうはいっても、訪問介護サービスを利用しホームヘルパーに24時間介護を依頼すれば、介護保険で規定されているサービスの利用限度額を大幅に超過し、経済的に賄えなくなってしまいます。
実際、24時間の訪問介護サービスを利用ができるだけの費用を自費で捻出できる家庭は、全体から見てもかなり少数の世帯に限られます。
誰もが住み慣れた地域で今まで通り自宅で安心して生活したいという希望は強いわけですが、そうかといって、自治体が担っている介護・福祉サービスであったとしても、そこまでの完全な手厚いサービスは、残念ながら全利用者にまで提供できるまでには整えられないのが現状です。
これらのデメリットを補うために、通所型(デイ)サービスや短期入所型(ショートステイ)サービスを訪問型サービスと併用していくことにより、少しでも満足できる介護サービスが提供できることにつながるというわけです。