介護士は自分なりに事前情報を元にして介護の流れを考える
介護の仕事は、体調管理や身支度を万全に整えただけでは行うことはできません。
その他で重要なことの一つに利用者に関する情報をしっかり把握することも介護業務に欠かせないものになります。
介護に入る前に、カンファレンスやオリエンテーションなどが実施されますが、その場で得られる利用者の情報をしっかりと把握しておくということが大切です。
上司や先輩から指示されたことを、受け身で単に聞いているだけでは、プロの介護士とは決して言えません。
カンファレンスでは、事業所のケアマネージャーなどから具体的に利用者の身心機能の状況や要介護度が伝えられ、どのような具体的サービスをサービス利用計画(ケアプラン)に従って提供していくのか、またどんな点に注意すべきかといったことが議題の中心となります。
疑問点はその場で必ず解決する姿勢が重要
カンファレンスなどで得られる情報については、自分が介護サービスを実際に提供しているイメージを頭に思い浮かべながら説明を聞くようにするといいでしょう。
単に聞いているだけでなく、頭のなかで思い描きながらシミュレーションしていくと、疑問点や情報が不足している点が必ず見えてきます。
ここで重要なのは、その場で疑問点について質問しながら解決していく心構えが大切で、疑問点を後回しにしてはいけないということです。
例えばある利用者に対して、ポータブルトイレも活用し、最終的には自力でも排尿・排便ができるようにするという目標があったと仮定します。
その時、利用者は自宅にあるトイレを使用することは全くできない状況なのか、どれくらいの頻度でおむつ交換を行なうのか、利用者本人は介護士・ホームヘルパーが援助することに抵抗感を持っていないのかなど、様々な疑問を感じるはずです。
ケアマネジャーや上司が「ポータブルトイレを使用する」と言ったから、何の疑問も感じずに「言われた通りにしておけばいい」と思うのではなく、自分なりに介護の流れを考えて、ケアマネジャーや上司にも提案していくということも大切で、このような姿勢こそが介護のプロといえます。
微妙な利用者の心理まで把握することも介護士として重要
介護に入る前に、特に把握しておきたいことは、利用者の心の状態や感情面についてです。
利用者もそれぞれの事情や思いがあり、近所にはホームヘルパーに来てもらっていることを知られたくないという方や、他人に体を触られるのは嫌だという方もいます。
そのような微妙な心理状態や感情に適切に対処するには、そんなケースも有り得るということをよく認識して訪問することがどうしても必要になります。
何回か訪問したことがある場合は、デリケートな情報についても比較的把握しやすいですが、初めて契約する利用者については、事業所側でも情報を得られていないこともあるはずです。
このような場合は、利用者と接する機会の多いケアマネジャーに直接話を聞いて情報を得ること、又は最初に利用者宅へ訪問した際に、可能な限り会話をして、気になる点があれば事業所の上司に当日中に報告して具体的な指示を仰ぐようにしましょう。
利用者宅への訪問でも初日については、事業所の管理職などが同行するケースもあるので、訪問終了後に疑問点や気になることは遠慮なく報告・相談するようにしたいものです。