ホームヘルパーが利用者に対して身体介護を行う場合、安全を第一に考え最優先することが何よりも重要です。
身体介護を受ける側の恐怖心とは
身体介護をうけている方は、障害を身体に抱えているケースが多いのですが、何をする場合でも、体を動かし動作を起こす必要があります。
しかし、身体介護サービスの利用者は、障害が原因で行動を起こす際に恐怖心が沸き、不安感に陥ることが多いということを十分認識しておく必要があります。
健常者が普通に行動したり、動作を起こしたりできることでも、障害を持った方は、なかなか思い通りに動くことができず不安感を持っている場合が多くあります。
これは、障害を持った方と同じ体験をしたことがない場合、利用者の立場になって考える習慣がなく、なかなか理解するのは難しいことです。
介護士やホームヘルパーは、利用者が抱く恐怖心を感じさせないように、起き上がりたい、動きたいという本人の要望を手助けするのが、介護のプロとしての役目でもあります。
例えば歩くという動作を考えた場合でも、利用者の歩くペースを無視して強引に手をひっぱたり、足がもつれて倒れそうになった際に、体を支えきれなかったりした場合、利用者自身が相当な恐怖心を感じることになるのは想像がつくと思います。
これは、怪我などの人身事故が起こっていないから大したことは無く、大丈夫だろうということではありません。
事故に発展していなくても、健常者である介護士とは比較できないような恐怖心が、利用者の心に生じているのです。
介護士は利用者に恐怖心を抱かせないような介護を行う
利用者の立場を考えず、このような介助を行っていては、本人が自力で行動できるようになろうという意気込みや熱意は急速に消えて失せてしまうでしょう。
介護職員初任者研修を受講する中で、多くの介護技能を学びますが、安全に配慮した介護を行うということの重要性については、何よりも最優先するべきであると指導されるはずです。
介護業務を行う際は、何をするにしても安全性が必ず最優先され、これは介護の基本原則であるということを認識した上で、介護技術を身に付ける必要があります。