寝返り(体位変換)介助の目的・褥瘡の原因と予防方法について

寝返り(体位変換)介助を行う目的

 布団やベッドなどで同じ態勢で長時間又は長期間寝ていたりする場合、次のような問題が体に起こってきます。

  1. 体重が一部位に長時間、集中してかかることで筋肉・血管・神経にも圧力がかかり、しびれや血の巡りが妨げられ障害が起こります。
  2. 寝たきり状態が長引き特定の部位を長期間動かさない場合は、関節が拘縮したり、筋肉・骨が萎縮するなど廃用症候群のような障害状態に陥り体を動かすことが出来なくなってきます。
  3. また外部環境と遮断され刺激が少ない場合、精神状態や呼吸系統に不調を起こす可能性もあります。

寝返り(体位変換)は、これらの心身への悪影響を回避するためには重要な行為で、介護の専門用語では、仰臥位(天井を向いた寝姿)から側臥位(横を向いた寝姿)へと身体全体を動かし態勢を変換することを指します。

介護職が寝返りを手助けすることで利用者は、圧迫されたり動かさないことによる血流障害・筋肉の委縮・関節の拘縮を予防し、肺呼吸・痰排出機能の促進といったことが期待できます。

また、臥位での体位変換だけでなく、座位の姿勢もとれるように、利用者の自立に繋がる観点での介助が必要です。

介護職は寝返りの介助を行う場合、次のような安定する態勢で実施することが基本です。

  • 低い姿勢で重心の位置を下げる。
  • 脚幅を適度に開き支持基底面積を広くする。
  • かかとの低い滑らないような靴を履く。

なぜ楽な姿勢や体位が重要なのか

 人は楽な姿勢や体位でいることにより、心身がリラックスして落ち着き、気分がよい状態を保つことが出来ます。

安定した姿勢が保て、筋肉に負荷がかかりすぎないこと、内臓機能が阻害されないことが大きな前提条件になります。

同じ姿勢や体位による疲労や苦痛を和らげるために、無意識に人は姿勢や態勢を変えています。

一方、利用者は身体機能に障害などがあり自分で姿勢を変えることが難しいので、介護職員などが楽な姿勢を保てるように手助けする必要があります。

褥瘡の原因と予防について

 褥瘡は、一般的には床ずれのことを言います。

褥(しとね)は布団や敷物を意味し、瘡(きず)は傷という意味で、この2語が合わさり褥瘡(じょくそう)と言われています。

ベッドや布団で寝たきりの方、車いすに座りっぱなしの方などが、骨のある部分の皮膚が外部から長時間圧迫され続けることにより、血行障害が発生して細胞組織が壊死する状態を褥瘡と呼びます。

褥瘡の発生部位

褥瘡の発生部位-仰臥位 褥瘡の発生部位-側臥位 褥瘡の発生部位-座位
図引用元:日本褥瘡学会 褥瘡についてより

褥瘡の発生原因とは

圧迫

窮屈な着衣、同じ姿勢が長時間継続、重たい掛け布団、ベッドシートのしわ

摩擦

皮膚どうしの接触、硬いシーツや衣服とのこすれ、ベッドの背もたれを上げた際のずり落ち姿勢時のこすれ

身体の不潔と湿潤

おむつをした時の汗や皮膚蒸れ、排尿・排便による皮膚の汚れ

全身状態の低下

血行障害、感覚や運動機能の障害、皮膚機能や筋肉の衰え、栄養不良

褥瘡を予防する方法とは

座り姿勢を確保する

座り姿勢になることで、体重を大腿とお尻の広い面積で支えることができ、一か所に体重が集中しないようにする。

姿勢を変換する

姿勢を定期的に変えることで、長時間集中して一部位に体圧がかかることを防止できる。

褥瘡予防用具の活用

姿勢を定期的に変えることが難しい利用者の場合は、次のような用具を使用して褥瘡予防を図る。

  • 体圧分散用具:ウォーターベッド、エアマット
  • 除圧用具:クッション、ムートン、ビーズマット
皮膚を清潔に保つ
  1. おむつ使用の排尿・排便時、即交換し蒸れや濡れの状態を放置しない。
  2. 定期的な入浴や清拭を行い清潔を保ち血行もよくする。
摩擦の防止
  1. 座り姿勢やベッドの背もたれを上げる際のずり落ち姿勢に注意する
  2. ベッドシーツや着衣のたるみをつくらない。
  3. 皮膚とこすれないように差し込み便器を使用する。
適切な栄養状態を保つ
  1. たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどバランスよい食事を摂る。
  2. 栄養摂取不足には、栄養補助食品を取り入れ良好な状態を確保する。
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