現場実習を体験できる初任者研修の実習内容について

 旧資格になるホームヘルパー2級講座の学習カリキュラムでは、施設での介護実習が資格取得の必須条件でしたが、初任者研修のカリキュラムでは任意となりました。

現在では希望すれば施設実習を体験できる初任者研修もありますが、実施してない講座も多くなってきました。

施設実習では、初任者研修などで学んだ介護の知識や技能を、介護施設などの現場で実践し実際の仕事を体験します。

実習内容は一般的には次の3つについて行われ、施設実習の日数はトータルで2日から3日程度が多いようです。

  • 入居介護施設での介護実習
  • 通所介護施設での介護実習
  • 訪問介護へ同行しての介護実習

介護現場での実習時間

 ホームヘルパー2級の現場実習カリキュラムを参考に紹介すると次のような内容になり、疑問やわからないことがあれば先輩ヘルパーに質問を行います。

実習場所

  • 訪問看護ステーション
  • 在宅介護支援センター
  • デイサービスセンター など

現場実習(30時間)

  • 施設実習:
    2日間で計16時間(特別養護老人ホーム、老人保健施設などでの介護実習)
  • 在宅同行:
    2日間で計8時間(在宅介護サービスの同行訪問)
  • 施設見学:
    1日間で6時間(デイサービスセンター、在宅介護支援センターなどの現場見学)

実技体験(42時間)

  • 基本の介護技術やコミュニケーション法などの実技体験

介護現場での実習にあたって心得ておきたいこと

 次の4点について介護施設や訪問介護の実習にあたっては、心得ておく必要があります。

@時間厳守
遅刻は当然厳禁ですし、当日の集合場所には、5〜10分ほど前には到着するようにします。

A身だしなみ
清潔で動きやすい服装であることが大原則で、派手な恰好や奇抜な色彩の衣服は着用はせず、アクセサリーなどもしないほうが安全です。

B言葉使い
ほぼ目上の方ばかりなので、名前を呼ぶ場合は「〇〇さん」で、言葉の語尾も「〜です。」と敬語で会話するのが基本です。

C実習の目的
成り行き任せではなく、自分が実習で学ぶべきポイントは何かを事前に明確にした上で、現場実習に入るようにしましょう。

介護施設での実習内容

 施設実習では、老人保健施設、特別養護老人ホーム、身体障害者施設、肢体不自由児施設などにおいて、施設の役割を理解し、実際の業務を体験し実習を通して介護技術を学んでいきます。

入居介護施設での介護実習

 入居介護施設での実習場所は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設など介護が常時必要な高齢者が入居している施設で、実際の利用者を相手に介護を行ないます。

当然ですが、介護職の初心者が現場に突然入っても戸惑うことになるので、オリエンテーションが事前に必ず行なわれます。

現場実習では介護職員が指導役となりその指示に従って食事介助や入浴介助など施設の介護職員が行っている業務を体験します。

実習場所
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設
  • 身体障害者療護施設
  • グループホーム など

通所介護施設での介護実習

 通所介護施設での実習場所は、自宅から通所して介護サービスを受けるデイサービスセンターや訪問看護ステーションなど訪問介護以外の在宅サービス施設になります。

ここでは、デイサービスセンターなどが果たしている役割や利用者への支援の仕方を見学したり、実際の介護サービスの実務を体験します。

実習場所
  • デイサービスセンター など

訪問介護へ同行しての実習内容

 訪問介護へ同行しての介護実習では、利用者宅へ現職の介護スタッフに同行して訪問し、実際の在宅介護業務を見学・体験して、利用者の生活の質を維持したり自立を促すことができるような介助方法や援助方法などを学びます。

 先輩介護ヘルパーに同行しますが、面識のない他人のお宅ですから、目のやり場にも注意したいものです。

初めて他人の家に来て辺りをジロジロ見回ることは行儀のいいことではありませんが、観察するという意識を持って見ることは大事です。

家庭や生活の状況、援助の仕方、介護サービスの効果や有効性、施設介護と訪問介護とは何が違うのかなど、視覚も聴覚もフルに働かせ、在宅介護という仕事を様々な視点から把握し理解するように努めましょう。

施設実習・訪問介護同行を体験することのメリット

 施設実習で実際の介護現場を体験することにより、現場で活用できる介護技術が習得でき、現場の雰囲気や業務内容を理解することで、不安感を和らげることができ安心して就職活動に臨むことができます。

メリット

  • 介護現場でしかわからない介護技術を体験できる
  • 介護職に対するやりがいなどを介護現場を実際に体験することで感じることができる
  • 家族介護や職場ですぐに実践できる介護技術が学べる

 以上のように、演習や机上の理論だけでなく実際の現場に接するのは大変緊張すると思いますが、その緊張感こそが、これから介護スタッフとしての第一歩であると考えるようにしたいものです。

どのような仕事であっても、初心を忘れた頃に事故や失敗を起こしやすいので、適度な緊張感を保ち集中して仕事を行うという姿勢は大切です。

実際、介護スタッフとして働くようになった場合でも、現場実習の際の緊張感を思い出して仕事に臨んでほしいと思います。

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