介護職員初任者研修のスクールで介護の基礎知識を学び、これから介護現場で働く方は、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)とは何かについて理解しておくことは重要です。
レビー小体型認知症の病態・症状
病気の状態について
異常物質の一種であるレビー小体が脳全体に沈着し、レビー小体型認知症が発生するといわれています。
病気の発生原因は詳しくは解明されていません。
認知症を引き起こす病として、レビー小体型認知症は、血管性認知症やアルツハイマー型認知症の次に患者数が多い病気です。
発症する症状について
幻視を見たりパーキンソン症状が現れるのがレビー小体型認知症の主な特徴です。
特に、体を全体的を動かしにくくなるのがパーキンソン症状の特徴で、次のような歩き方になっていきます。
- 歩き始めの一歩がうまく踏み出せずに、足がすくんだようになります。
- 歩き出せても歩幅が異常に狭くちょこちょこと小刻みで歩いたりします。
- 前かがみの態勢で人にぶち当たるかのように突進して歩いたりします。
このような特徴的な歩き方とともに、幻視体験も現れ、赤の他人が自分の居間の廊下を歩いていたり、山や川などの景色が見えたりして、いかにも実際に体験しているかのような幻視が繰り返して発生します。
病気の進行度合
認知機能が大きく変化し、病状は早く進行していきやすいのが特徴です。
前頭側頭型認知症(ピック病)の病態・症状について
病気の状態について
前頭側頭型認知症は,ピック病など,初老期に発症する代表的な認知症の疾患です。
アルツハイマー型認知症のように,脳の全体が徐々に萎縮していくのとは異なり,前頭葉と側頭葉に限定して脳が萎縮していく病気です。
初老期のアルツハイマー型認知症数の10分の1程度といわれていますが,正確な罹患率は知られていません。
発症する症状について
初期段階の前頭側頭型認知症は、記憶力の衰えや日常生活での障害はひどくなく、初期段階では認知症とは判断できないケースが大半です。
大きな特徴として次のような人格変化が挙げられます。
- 物事に関心がなくなり、淡々と何ごとにも取り組まない生活を送るようになります。
- 自分以外の人から忠告や助言、時に注意を受けても全く聞き入れようとせず、ゴウイング・マイウェイといった独自行動をとることがあります。
- 見栄えなく、性的な言動を行う場合があります。
- 決まった飲み物しか飲まない、決まった店しか行かないなど、約束ごとに縛られることがよくあります。
さらに病状が進行していくと、相手の話の内容や言っている意味が理解できなくなったり、普段飲んでいるジュースの名前や好物の料理の名前が理解できないということが起こります。
但し、行動・動作に関しての記憶はあるので、失見当も起こらず、JRやバスに乗車しても自分が現在どの駅にいるのかなど場所に関して迷うということはありません。
病気の進行度合
以上のような病状が前頭側頭型認知症は、数年間起こり続けますが、認知症が徐々に進行してくると、言葉を発しなくなり行動を起こすこともなくなり、十年以上の月日を経て最終的に寝たきり状態に陥ります。