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介護職による洗濯の援助とは

洗濯援助の目的

現在、洗濯機は機能性も向上し多くの家庭に普及していることもあり、負担が少ない家事の一つになっています。

さらに、衣服繊維や洗濯洗剤の開発が進展し利便性が向上し、多くの衣類は自分で簡単に家庭で洗濯を行うことが可能です。

しかし、繊維新素材なども増えているため、その種類や特性などを理解せずに洗濯すれば、衣服が縮んだり、変形したり、色落ちしたりし、問題を引き起こすことになりかねません。

また、嘔吐物や排泄物などが衣類に付着した場合、適切に対応しなければ感染症を発生させてしまう事態になることも考えられます。

介護職が家事援助を行う場合、衣類素材の種類や、何が付着し汚れているのかを正確に判断し、適切な方法で洗濯を行えるような知識と技術を身に付けることが大切です。

洗濯の流れと手順

自宅で洗濯する場合は、次のような手順で行われることが一般的に考えられます。

  1. 汚れを発見する。
  2. 汚れた衣服を着替え、洗濯かごに入れる。
  3. ドライクリーニング(揮発性有機溶剤による洗濯)、又は水洗い(水道水による洗濯)すべきかを判断し分別する。
  4. 色落ちするものとしないものに分類し洗濯機に入れる。
  5. 適切な洗剤を選び洗濯機に入れる。
  6. 洗濯機の電源を入れ、洗濯コースを選び洗濯を行う。
  7. 洗濯機から衣類を取り出し洗濯かごに入れる。
  8. 物干し竿などで洗濯物を干す。
  9. 洗濯物の水分が乾けば取り込む。
  10. 取り込んだ衣類をたたむ。
  11. 衣類をタンスなどに整理し収納する。

現在では、ほとんどの自宅や家庭に洗濯機が普及し、屋外でも便利なクリーニング店・コインランドリーが多く出店しているので清潔さを維持しやすくなっており、汚れた衣服を着た人を見かけることはほとんどありません。

しかし、心身に疾患があったり機能低下がある場合、自分の生活環境や身の回りの関心が薄くなり無頓着になりやすく、洗濯機も新機能が追加され便利になることで、逆にその操作方法が複雑化し取り扱いに戸惑い、洗濯しようという意欲が低下するケースも少なくありません。

なので、介護職は利用者の生活環境をよく観察し、本人が自力で無理なくできる方法での自立支援を考えていきましょう。

介護職に必要な衣服繊維の機能と衛生に関する知識

介護職として、利用者の衣服の機能性を維持し、清潔で衛生的な状態を保つため、次のような基本的知識が必要です。

  • 素材や繊維に適した洗剤知識
  • 色落ちするかどうかの確認
    白い生地の衣類と色落ちする衣類を一緒に洗濯しないこと。色移りする場合があります。
  • 感染症を患っている方の嘔吐物や排泄物の付着確認
  • 血液付着した衣類の処理方法

    嘔吐物・排泄物・血液付着物は、漂白剤を使い汚れを取ることが多いが、塩素系漂白剤を使うと色落ちするため白物以外には使用しないことが基本です。

    白物以外の色柄物の衣類は、酸素系漂白剤を使い洗濯するのが基本です。
  • 洗濯物の干し方についての確認

    日光の影響で変色したり色合いが薄くなったりすることもあるので、裏返しで干すほうが良い場合もあるため、利用者が日常行っている方法などを確認し援助するようにしましょう。

洗濯漂白剤の種類と使用対象繊維・特徴

一般的な漂白剤の種類と使用可能な衣料、各種漂白剤の特徴・注意点は次の通りです

特に介護職として家事援助を行う場合、次の内容に関しては必ず知識として理解しておくことは重要です。

漂白剤種類 使用可能衣類 特徴・注意点
塩素系漂白剤

綿、麻、アクリル、レーヨン、ポリエステル、キュプラなどの白物衣料に使用

酸性系漂白剤と混ぜると有害塩素ガスが発生するため危険で注意が必要
酸素系漂白剤

毛、絹以外の全繊維製品、色柄物にも使用でき水洗いも可能

  • 衣類の除臭・除菌、抗菌
  • 部分汚れやシミの漂白(そで口・えり・調味料や血液付着・食べこぼし)
  • 乳児衣服の漂白
還元漂白剤 全ての白物衣料に使用 酸素系漂白剤で落とせないシミの漂白が可能
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