洗髪介助のポイント・方法・手順
洗髪では、髪の毛や頭皮をシャンプーで洗い皮脂やフケなどのよごれを除去することで、頭皮が刺激されて爽快感を感じことができます。
また、洗髪は頭皮全体の血流が良くなり頭皮環境が改善されることで、抜け毛が減り髪の毛の成長が促されます。
但し、利用者に対して洗髪を行う際は、健康状態・体調・生活状況を確認し希望に合った頻度や方法を選択することが大切です。
洗髪介助の手順
介護職は、次のような手順で洗髪介助を行います。
- 洗髪介助の方法や内容を利用者にわかりやすく説明を行い同意をとります。
- ベッドを介助しやすい高さに調整し、クッションを膝裏に当てがい腹筋の緊張をほぐします。
- 枕を取り除き、背中から頭部の下にシーツ（防水用）とバスタオルを敷きます。
- 着衣が濡れないようにするため、肩にタオルをかけます。
- 頭の真下にケリーパッドを置き使用する洗髪に使う温水などが漏れないように考慮します。
- 髪の汚れや頭皮のフケを浮き上がらせるためにクシやブラシなどで髪を解きすかします。
- 頭を洗う前に温水の温度を確かめ適温にしてから頭全体にかけて温水を流しかけます。
- お湯を流しかける際には目・耳・顔にしぶきがかからないようタオルで顔の一部を覆うのも一つの方法です。
- 洗髪する際は、シャンプーの適量を手にとり泡立てておいて、指の腹を使いながら頭皮をマッサージするようにして洗います。
- 蒸したタオルを使い頭皮についたシャンプーの泡をしごいてと拭き取ります。
- 頭皮に残っている泡をお湯でしっかりと流しすすぎます。
- 利用者の希望があればリンスを行います。
- 頭を片手で持ち上げながらケリーパッドをはずします。
- 衣服の濡れ防止で肩にかけたタオルを使い頭部を巻きます。
- 背中から頭の下に敷いていたバスタオルを使いお湯で濡れた髪の毛を拭きます。
- ドライヤーで髪の毛をほぐしながら乾かします。
- 利用者の姿勢やベッドのシーツ・枕などを整えベッドの高さを元の状態にします。
- 洗髪介助に使った用品を片づけます。
- 利用者が必要であれば水分補給を行います。
一般的な洗髪が難しい利用者への洗髪介助方法
誰もが一般的に行っているような洗髪が難しい利用者に対しては、次ような手順で洗髪介助を行います。- 頭部の下に防水ケープとタオルを敷きます。
- 利用者の希望や状況に合わせて、次のような頭部を清潔にする方法を選択します。
| 頭部を清潔にする手段 | 使用ポイント |
| タオルを湯で湿らせ拭く | ― |
| ドライシャンプーを使う | 種類が多いので利用者の皮膚アレルギーの有無、体の状態、好き嫌いなどをよく考えた上で使うこと。 |
| オイルシャンプーを使う | 頭皮や髪を洗うことが長期間行えなかった事が原因で、あちこちにフケ・湿疹が起こり毛髪が固まった状態になっている時は、拭き取って皮脂を除去することが可能です。 |
| ヘアローションクリームやヘアトニックを使う | ― |
シャワー浴による清潔保持のポイント
利用者が汗をかいた時や尿漏れ・失禁などで衣服が一部汚れた時などは、シャワー浴を行うことで間を空けることなく清潔を保てるので利用者側の不快感を和らげることができます。
ただし、シャワー浴を行う際は、次のことに注意する必要があります。
皮膚温度が上昇し一時的には温かくなるが、気化熱により熱が奪われるので皮膚温度が一気に下がり体が冷えてきます。
一方、入浴した場合は、入浴後に皮膚温度が一気に冷めたりはしないので、この点が大きな違いです。
なので、シャワーを浴び濡れた部分はバスタオルですぐに拭き取り身体を冷やさないようにすることがポイントです。
冬にシャワー浴を行う際の室内の設定温度は、湯冷め・冷気をなどを考え22度くらいにするのがベストで、シャワーの温度も42度前後が適正温度です。
