介護施設に於いて24時間シフトで介護を行っている介護職員は、睡眠の必要性とその働きなどについても理解しておくことが大切です。
睡眠の必要性と役割
毎日の生活を健康的に過ごすには、どれだけ質の良い睡眠がとれたかということが影響してきます。
世間では人の睡眠は1日8時間とるのが良いということになっていますが、全ての人に当てはまるわけではありません。
医学的には幼い頃は8時間以上の睡眠が当たり前で、年齢が上がると睡眠時間は短くなります。
高齢者になると6時間の睡眠時間でも全く問題がないと言われています。
質の良い睡眠を得るには睡眠の深さが重要で、長い時間寝たとしても眠りが浅ければほとんど意味がなく、起きてからも疲労感はとれず全く充足感がありません。
質の良い睡眠をとることで、脳や体に蓄積した疲労が回復し、1日を快適に活動することができます。
睡眠中は、人に必要な成長ホルモンが分泌され、脳内の疲労物質をデトックスする働きをしています。
また、良質な睡眠をとることは自律神経を正常に保ち、体重、血圧、血糖値などを正常に維持するために重要な役割を果たしていることも明らかになっています。
さらに、日常で記憶した情報は睡眠中に整理され、記憶の定着にも重要な役割を果たしています。
睡眠を引き起こすメカニズム
人が眠たいと自然に感じれるのは、毎日の睡眠を引き起こすメカニズムが人間の身体に備わっているからです。
体内時計と概日リズムについて
人間の体に備わっている体内時計は約25時間周期で規則的に繰り返されています。
このため体温・脈拍・血圧などの自律神経系の働き、体を維持するための内部分泌ホルモン系の働き、睡眠と覚醒なども同じ周期で繰り返されています。
日暮れになると眠気を感じるのは、体内時計が一定周期でリズムを刻んでいるためで、このリズムを概日リズム(サーカディアンリズム)といいます。
通常1日は24時間、体内時計は約25時間周期ということで約1時間のズレがありますが、朝に太陽の光を浴びることでこの1時間のズレをリセットし、時刻合わせを行うような仕組みになっています。
なので、1日24時間周期と大きくずれ込み生活リズムに悪影響が及ぶことはありません。
睡眠負債について
人には睡眠不足の程度に応じて、眠気を引き起こす働きが備わっており、朝でも昼でも眠くなり時刻とは全く関係ありせん。
このような睡眠は、睡眠不足や疲労の度合いにより異なりますが、必要となる睡眠量を睡眠負債と呼びます。
毎日夜になると睡眠をとりますが、この時の睡眠時間も次に示したような日々の活動状況により異なります。
通常、その日の疲労度が軽いほど睡眠時間は少なくなり、日中に昼寝をした場合でも同じです。
- 疲労度合い
- 仕事や遊びで疲労がどの程度溜まっているか
- スポーツで肉体的に疲労していないか
- 睡眠時間の過不足
- 睡眠不足が続いているか
- 昼過ぎまで寝ていたか
- 日中に昼寝をしたか
- 徹夜などして長時間起きている状態が続いているか