介護用電動ベッド・キャッチベッドについて
利用者にも利便性が高く、介護職員にとっても無理なく介護できるため、介護施設では電動ベッドが多く使用されています。
電動ベットの主な特徴は、利用者が寝返りをしたり、ベッドから起き上がったり立ち上がったりする際に、それぞれの動作を補助する次のような機能があります。
- 高さ調整機能…ベッド全体を上下させ高さを調整できます。
- 背上げ機能…背中を支える部分が昇降します。
- 膝上げ機能…膝を支える部分が昇降します。
介護用ベッドの選び方について
利用者が寝たきり状態に陥るか自立して動けるようになるかは、どんなベッドを選んで使用するかで決まるといっても過言ではありません。
通常、病院で使用しているベッドは、ベッドの幅が狭く高さも床から高いタイプが多く使用されています。
これは、看護師や介護士が看護や介護を行う際に、中腰で腰を痛めないように配慮されているからです。
しかし、ベッドを使用する側からするとかなり使い勝手が悪く、ベッドから降りる時に足が床につかない場合もあります。
また、幅が狭い場合は圧迫感を感じ横に寝返りをしずらい場合もあります。
電動ベッドの場合は、高さを調整できるので気にすることは有りませんが、固定式ベッドの場合、より良い介護を行う為には、ベッドの幅や高さ、マットの硬さなどを見極めることが、ベッドを選択する際の条件になります。
特に床面からマットまでの高さが一番重要なポイントで、ベッドに腰をかけた状態で床面に足裏全体が着き、ベッドと膝下の角度が90度くらいになる状態が最適な高さになります。
介護用ベッドを選ぶ際のチェックポイント
項目 | チェックポイント |
介助バー | 介助バーは頑丈で取り付けも簡単です。 ベットからポータプルトイレや車イスへ乗り移る際も、自分だけでは不安という半介助が必要な人にとっては、介護ベッドを使用する場合の必須アイテムです。 |
ベッドの高さ | 固定ベッドを選ぶ場合には、ベッドの高さ一番重要なポイントです。 ベッド端に座った状態で膝の角度が約90度くらいに曲げることができ、床面に足のかかとがぴたっと着く状態が理想的な高さになります。 |
ベッドの広さ | 医療機関では患者の処置を看護師などが行いやすいように、ベッドの幅は狭いものが使用されているケースがほとんどです。 一方、介護施設などの高齢者や障害者のQOLを向上させるため自立を促すには、100cm~120cmくらいの幅のベッドを使用すべきです。 この幅だと寝返りや起き上がり動作を安心して行うことが可能です。 |
ベッド上の硬さ | 病気などで安静が必要な場合は、一般的に柔らかいマットが適しているとされていますが、介護用ベッドに関しては硬めのマットの方が適しています。 利用者の自立を助けるためには、体が沈み込まないで動きやすいことが条件になるからです。 ベッドを選ぶ場合は、マット上をふらつかずに普通に歩けるくらいの硬さがあるものを目安にするのがポイントです。 |
ベッド下の空間 | ベッドから車いすなどに乗り移る場合、一旦ベッドから立ち上がりますが、この時には自然と足をベッド側に引いて前かがみの姿勢になります。 立ち上がり動作を行う時の自然な動作パターンです。 なので、ベッドの下に一定のスペース(蹴込みスペース)がないと、この動作ができず自立を助けることができません。これはベッドやポータブルトイレを選ぶ場合でも大切な選定ポイントになります。 |
図引用元:
近新家具 福祉用具総合カタログ2012年vol.11-1 p71より