訪問リハビリテーションは、利用者の心身機能を維持したり、回復させたりすることを目的として、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが利用者宅へ訪問し、リハビリテーションを実施するサービスです。
利用者宅を理学療法士や作業療法士が訪問しリハビリを行う
訪問リハビリテーションは、理学療法士や作業療法士などが中心となり、利用者の自宅を訪れて、医師の指示に従い理学療法や作業療法などのリハビリテーションを施す医療的なサービスになります。
利用者にとっては大変便利なサービスですが、現在、リハビリテーションを施すことができる有資格者数が不足していることから、訪問リハビリテーションのサービスを利用することはが非常に難しくなっているのが現状です。
医療的な観点から、リハビリテーションは次の3段階に区分され、介護保険の給付対象になるものと医療保険の給付対象になるものに分かれます。
- 急性期リハビリテーション(医療保険の給付対象)
- 回復期リハビリテーション(医療保険の給付対象)
- 維持期リハビリテーション(介護保険の給付対象)
訪問リハビリテーションの事業開設を行場合は、診療所、病院、介護老人保健施設などが都道府県知事からの業者指定の対象になり、指定訪問リハビリテーション事業者として指定されれば、事業を行うことが可能になります。
訪問リハビリテーションで行われるサービス内容の一例
自分で歩くことができない利用者へのリハビリテーション内容
歩けない利用者へのリハビリテーションは、離床をうながし寝たきり状態に陥ることを未然防止するのが一番の目標になります。
さらに、関節可動域を広げ筋力を増強する訓練を行い、移乗動作や日常生活動作などの訓練を行って、寝返り、起き上がり、座位、立ち上がり、立位、歩行ができるようになることを目指します。
また、車いすで生活できるように自宅の居住環境の整備も行っていきます。
自分で歩くことができる利用者へのリハビリテーション内容
歩ける人に対するリハビリテーションは、歩行訓練を主に実施し、介助なしでも屋内では歩ける方、介助を受ければ歩ける方など、利用者の身体機能の状態や状況に応じた適切な方法でリハビリテーションを行っていきます。
自分で歩行できるレベルの利用者へのリハビリテーションの実際の訓練内容は、次のようなものです。
屋内歩行レベルのリハビリ訓練
介助方法介助者は利用者の近くで安全を見守ります。
訓練内容- 手すりなどにつかまって、足を台に乗せたり下したりする。
- 手すりなどにつかまって、大きく片方の足だけ前後に振る。
- 手すりなどにつかまって、高く足を上げる。
- 三角台に両足で乗り、背を壁側につけて立ち、アキレス腱を伸ばす。
- 両手を組んだ状態でゆっくりとした動作で立ったり、しゃがんだりする。
- 直立した状態で両手を組んで、体を捻ったり大きく回したりする。
介助歩行レベルの介助とリハビリ訓練
介助方法介助者は利用者の患側の後方から介助を行う
訓練内容- 足踏み:
イスに座った状態で患側の足を高く上げることを意識しながら、足踏みを行う。 - 片足立ち:
手すりを握って10秒ずつ左右交互に、片足立ちを行う。 - スクワット:
手すりを握ってバランスを崩さないように注意しながら、ゆっくりと両膝を曲げたり伸ばしたりする。