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介護職員の給与・手当・賞与についての実態を紹介するにあたり、まずは介護職員処遇改善加算の取得事業所とは何かを理解しておく必要があります。

端的に言うと、介護職員処遇改善加算の取得事業所に就職する方が、多くの給与がもらえるからです。

なので、初任者研修などの資格を取得し就職する前に、就業先が『介護職員処遇改善加算の取得事業所』であるかどうかを確認しておくことはすごく重要になります。

1.介護職員処遇改善加算とは

 総務省の発表によると、2018年の日本における65歳以上の高齢者人口は約3500万人、総人口に対する比率は30%に達しました。

2023年9月15日現在の高齢者人口推計は3623万人となっています。

一方、出生率は改善されない状況で、今後ますます介護人材が必要となりますが、実態は慢性的な人材不足の状態が長年続いています。

そこで介護人材を確保するため、国では2012年にスタートした「介護職員処遇改善加算」という制度を運用し、介護職員の賃金や研修制度が構築されている介護事業者に対して介護報酬面で優遇するという支援策を実施してきました。

1-1.介護職員処遇改善加算の目的とは

 介護職員処遇改善加算は、次の目的のために制度化された加算になります。

  1. 介護職員の処遇改善を図るための環境整備
  2. 介護護職員の賃金改善に充当する
  3. 介護職員処遇改善加算の運用の流れ
介護職員処遇改善加算の運用の流れ

上図の流れで加算を取得した事業者は次の責務を行う義務があります。

  1. 介護職員の研修機会の確保
  2. 雇用管理の改善
  3. 加算算定額に相当する賃金改善

1-2.介護職員処遇改善加算申請のために必要な要件とは

 介護職員処遇改善加算制度は、2012年スタート後、2015年4月に改正が行われ、加算区分が拡充されて、要件を満たした事業所には、さらに介護報酬額が多く支給されることになりました。

現在では加算は全5区分となっています。

介護人材不足の解消に向けて国は本腰で改善策を打ち出していますので、介護職員の給料の引き上げを行なう事業所も多くなっています。

ここでは、介護職を目指している方、現役介護職員の方の給与に直結する内容なので、もう少し詳しく解説していきたいと思います。

 介護事業所の収益は、介護保険制度に於いて介護報酬額を国が決定しており、事業所が介護報酬請求することにより、報酬を支払う仕組みになっています。

なので、お客さん(利用者)に提供したサービスの値段(介護報酬)を介護事業所が勝手に決められないというところが一般企業のサービス業とは異なる点です。

介護職員処遇改善加算は、介護職員の待遇改善を行う事業者には、介護報酬の金額をさらに加算して支払い支援してあげようという制度です。

そのため、まず事業者は国に対して処遇改善の実施状況を申告し、国は事業所が定められた基準通りに待遇改善を行っているかを確認し、基準を満たしていれば、そのレベルに合わせて介護報酬が加算されて支払われることになります。

その多く支払われた介護報酬分で、介護職員の給料アップを図るということに流れになります。

 では、介護事業所が達成すべき具体的な要件とはどのようなものでしょうか?

その要件には、「キャリアパス要件」と「職場環境等要件(旧定量的要件)」の2種類があります。

キャリアパス要件とは

 介護職員のキャリアアップを図り、良い労働条件で満足できる業務を行えるようにすることが目的で、キャリアパス要件は下記の3項目です。

  1. 役職や職務内容に応じた任用要件賃金体系の整備を行うこと。
    • 任用要件とは、介護職員が上位職に上がっていくための要件
    • 賃金体系とは、職位に見合った賃金が支給されるための体系や規定
      ・職位に応じた給与表
      ・管理職手当や役職手当など
  2. 資質をアップさせるためのプラン策定を行い、研修を行ったり受講できる機会を与えること。
  3. 実務経験や保有資格などに応じた昇給又は一定基準に準じた定期昇給が可能な仕組みを設定すること。

職場環境等要件とは

 今まで事業所内で行ってきた様々な介護職員の為の処遇改善取組事項に関しては、全職員へ周知伝達することが求められます。

 処遇改善の取組内容の事例には、次のようなものがあります。

  • 研修制度を設けて定期的に教育訓練を行う
  • キャリア段位制度と連動させた人事考課の構築
  • 育児休業制度の充実により、子育てと両立して働ける
  • パートから正社員への積極登用
  • 介護職員の負担を軽くするための介護設備の導入

 介護事業所が、上記の「キャリアパス要件」と「職場環境等要件(旧定量的要件)」で定められている基準をクリアすれば、達成レベルに見合った介護報酬が加算され支給されます。

以上が、介護職員処遇改善加算といわれる制度です。

1-3.介護職員処遇改善加算5区分の内容

介護事業者は、介護職員処遇改善加算で定められている5つに区分ごとに決められた上記で解説した「キャリアパス要件」「職場環境等要件」を達成することで、それに見合った加算を取得できます。

2015年4月以降、最も多額の介護職員処遇改善加算を受け取れる区分は加算Ⅰです。

但し、厳しい「キャリアパス要件」「職場環境等要件」をクリアする必要があります。

介護職員処遇改善加算5区分の内容
区分 月額/1人 キャリアパス
要件
職場環境等
要件
加算Ⅰ 37,000円 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ全てを満たす 満たす
加算Ⅱ 27,000円 Ⅰ及びⅡを満たす 満たす
加算Ⅲ 15,000円 ⅠまたはⅡを満たす 満たす
加算Ⅳ 13,500円 ⅠまたはⅡまたは職場環境等要件のいずれかを満たす
加算Ⅴ 12,000円 Ⅰ・Ⅱ・職場環境等要件のいずれも満たさない

キャリアパス要件のⅠ・Ⅱ・Ⅲに加えて職場環境等要件も満たした介護事業所は、加算Ⅰを取得できて賃金改善のために介護職員1人当たり37,000円が支給されます。

令和4年度時点の介護職員処遇改善加算の取得(届出)状況は、全体で94.5%の事業所が 取得しています。

つまり加算Ⅰの介護事業所に就職すれば他の事業所よりも高い給料をもらうことが可能です。

介護職員処遇改善加算の運用の流れ図、5区分の内容一覧表について
引用元:
厚生労働省の「介護職員処遇改善加算」のご案内(pdf)より

2.介護職の収入について

介護の仕事をするにあたり、収入がどのくらいあるのかは誰もが気になるところですが、雇用形態から見てみると、正規職員と常勤介護ヘルパーの70%が固定給で、現場の介護ヘルパーでも常勤の30%が固定給とパートのほとんどが日給又は時間給です。

時間給の相場も介護ヘルパーが仕事と家事のどちらに重点を置いているかでも時間給が変わってきます。

家事中心の場合は、時給900円~1,000円、介護中心の場合は、時給1,000~1,500円、全体の約80%くらいの方が、家事中心で介護の仕事を行っているようです。

民間経営されている高齢者介護施設などでは、介護保険制度に基き提供したサービス内容に応じて、介護報酬が支払われるので、上手く事業展開した業者は、それに見合った売り上げを見込むことが出来ます。

そうなると、事業経営者の経営能力が問われ、介護職員の給与水準にも、業績が反映されていくので、市場の競争原理に基き差別化が図られていくものと考えられます。

2-1.令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果からみる介護職の収入状況

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」データを確認すると、介護職の収入は次のようになっています。

介護職員の平均基本給等の状況
(月給・常勤の者)
平均給与額 318,230
基本給 186,840
手当 80,860
一時金(賞与等) 50,530
  • 手当は、
    職務手当や資格手当、処遇改善手当、通勤手当、家族手当、時間外手当(早朝・深夜・休日手当等)が含まれる。
  • 一時金は、
    賞与や臨時支給として1~12月に支給された総支給額の1/12の金額。
介護職員の平均給与額の状況
(月給・常勤の者、勤続年数別
全 体(平均勤続年数:8.7年) 318,230
1年(勤続1年~1年11ヶ月) 281,990
2年(勤続2年~2年11ヶ月) 288,190
3年(勤続3年~3年11ヶ月) 297,630
4年(勤続4年~4年11ヶ月) 303,510
5年~9年 311,850
10年以上 346,510
  • 平均給与額は、
    基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)。
介護福祉士の平均給与額の状況
(月給・常勤の者、勤続年数別
全 体 336,000
1年~4年 312,960
5年~9年 324,350
10年以上 358,870
  • 平均給与額は、
    基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)。
介護従事者等の平均給与額の状況、職種別
職 種 月給・常勤の者 時給・非常勤の者
介護職員 318,230 1,140
看護職員 372,970 1,450
生活相談員・支援相談員 342,810 1,110
理学療法士、作業療法士、
言語聴覚士又は機能訓練指導員
355,060 1,660
介護支援専門員 362,700 1,340
事務職員 308,430 1,030
調理員 262,540 980
管理栄養士・栄養士 316,820 1,150
  • 平均給与額は、
    基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)。
介護職員の平均給与額の状況
(月給・常勤の者、保有資格別
保有資格 平均勤続年数 平均給与額
全 体 8.7 318,230
介護福祉士 9.5 331,690
社会福祉士 8.5 352,560
介護支援専門員 12.7 376,240
介護職員実務者研修 6.5 302,500
介護職員初任者研修 8.0 302910
保有資格なし 5.3 270,530
  • 介護職員実務者研修は、
    実務者研修、介護職員基礎研修、ヘルパー1級を指す。
  • 介護職員初任者研修は、
    介護職員初任者研修、ヘルパー2級を指す。
  • 平均給与額は、
    基本給(月額)+手当+一時金(1~12月支給金額の1/12)。

2-2.介護職の手当の種類

 就労条件を事前にしっかりと把握しておくことは大切で、安心して働くための最低条件ですが、まずは通勤手当がどうなっているのか確認しましょう。

実際のデータを調べてみると、全体の5割強の施設で通勤手当は実費支給されており、特に民間企業では70%以上が実費支給しています。

 通勤手当以外には、超過勤務手当、夜勤手当、宿直手当、扶養手当、住宅手当などがあります。

この中でも超過勤務手当は、非常勤ヘルパーやパートヘルパーで60%以上、常勤ヘルパーでは80%以上が支給されているようです。

 また、特殊業務手当や調整手当といわれるものがあります。

 特殊業務手当は、保育士や介護職員などの業種や雇用形態別に、基本給に対する割合か、一定金額が決まっているかの違いはありますが、どちらかの形態で支給されているところもあります。

 調整手当は、仕事の種類に関係なく基本給に対する割合が決まっていて一律に支給されているようです。

以上のような各手当を合計すると、大学新卒で介護資格を持っている場合は、20万円以上の初任給になるようです。

また、中途採用者の場合は、当然ですが経験年数や年齢も支給額に反映されます。

2-3.賞与・昇給はあまり期待できないところも

 常勤の介護ヘルパーであっても賞与については、大きな期待はできないようです。

実際、賞与が支給されているところは、自治体でも70%弱、民間と介護福祉公社で30%、在宅介護事業所で50%弱となっています。

昇給があるのは、民間全体で30%強、在宅介護事業所に限ると20%程度、その他に関しては10%~20%くらいになっています。

2-4.退職金はどれくらいか

 退職金は各施設が加入又は実施している退職金制度により異なります。

支給額は行っている仕事の種類や勤務年数により違いますが、勤続年数が長いほど多く支給されるのが一般的です。

退職金は次の制度により退職時までに増額を図り支給されるような仕組みになっています。

自治体勤務の公務員の場合
  • 各市町村の退職金制度
民間施設勤務の介護職員の場合
  • 国が運営している社会福祉施設職員退職手当
  • 各地の社会福祉協議会が実施している退職共済制度(任意加入)
  • 中小企業退職金共済制度
  • 全国社会福祉協議会の退職共済金
  • 各法人の独自制度

3.介護職を生活の糧にする場合の考え方と留意点

3-1.介護職で生計を立てることと責任との関係は

 残念ながら介護士・ホームヘルパーをはじめとする介護職の収入は、他の職業と比べて決していいとは言えません。

正社員・正職員であれば、賞与などを含めて年収300万円以上というケースもありますが、非常勤で働く場合は時給1000円としても年収100万円がやっとという人も多いようです。

施設によりますが、交通費の上限支給限度額が決まっていたり、無支給のところもあり、求人募集は介護施設の近辺に在住する人の応募が優遇されるようです。

パートやアルバイトの介護ヘルパーの場合、時給は850円~1,200円くらいの幅が地域によって異なりますが世間相場となっているようです。

 「大切なのは奉仕の心と自分の生きがい」という人もいますが、介護・ホームヘルパー業務を生活の中心に据えるのであれば、当然それで生計を立てるということも考慮しなければなりません。

また、それなりの報酬を手にすることでプロとしての意識が培われることもあります。

 介護職を一生の仕事として考えている人は、ある程度労働時間が長くなっても、常勤などの働き方を選んでそれなりの報酬を目指すという姿勢をもった方がいいでしょう。

 その際、初任給にこだわるよりも、その後の昇給率や資格・役職手当てなどに注目するようにしたいものです。

精魂こめて働いたら、その分かきちんと給与に反映されるというシステムの方が就業後の意欲がわきやすく、仕事を長く続けるうえでもメリットが大きいからです。

3-2.収入を低く抑えたいというホームヘルパーの本音とは

 ところで、主婦で配偶者控除を受けている人や在職の老齢年金をもらっている人の場合、控除対象から外されたり、年金カットの対象とならないよう、逆に収入を抑えるケースも見受けられます。

例えば、配偶者控除の場合は年収103万円以内、在職老齢年金の対象者である場合は標準報酬月額と年金の合計額を48万円以下に抑えようということです。

 それぞれの生活のことを考えれば、こうした調整を否定することはできません。

しかしながら、地域によってはホームヘルパーの人手不足が深刻化している所もあるなかで、あまりにも自分本位に働き具合を調整してしまうことは決して望ましいことではありません。

 もし、収入調整が必要という場合は、介護サービスの対象者を1人に特定するという方法をとってはどうでしょうか。

その代わり、対象者から出される要望だけは確実にかなえられるように努力します。

 例えば、週2回だった訪問を3回にして欲しいとか、午前だけでなく午後も訪問して欲しいなどの要望があった場合、訪問先をその人だけに特定していれば、年収オーバーなどを気にせず比較的柔軟に対応ができます。

常に利用者のことを考え、責任のもてる余地を残すことが大切です。

3-3.介護のプロとしての責任と「時間外労働」について

 もう一つ注意しておきたいのは、時給制で働いている人の場合、訪問介護などにおいては、その日の日給はあらかじめ契約された訪問時間で算出されます。

 ただし、利用者に状態の変化などが見られた場合は、それなりに時間をとって上司と相談する必要も出てくるでしょう。

この「時間外労働」が面倒だからと、相談すべきことを先延ばしにしたり、報告書などの提出だけで済ませてしまっては、決して「プロの対応」とは言えません。

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