介護職が所属できる職場は主に3種類
介護資格を取得し、介護ヘルパーとしてのスキルを満遍なく発揮することができる職場には、どのような機関や団体があって、それぞれどのような特徴があるのかについて見ていきたいと思います。
介護職員初任者研修や介護職員実務者研修を修了して資格を取った後、介護職として就職する場合の就業先は、大きくは3つに分類できます。
介護士・ホームヘルパーが働く場合、どこかの施設や団体に所属することになりますが、介護サービス提供事業者や組織の介護サービスの実態を詳しく見ていきましょう。
介護保険の導入前は、地方自治体である市町村がホームヘルプサービス事業を主になって行ってきましたが、介護保険が施行されてからは、介護サービス事業は、様々な機関や団体へ委託され、民間企業も多く参入するようになってきました。
そのことから、介護サービス事業を展開している実施団体は、次の3種類に大きくは分類することが出来ます。
- 民間の営利型事業者、
- 民間の非営利型団体
- 公的機関団体
1.民間の営利型事業者とは
民間の営利型事業者とは一般の民間企業が運営している介護サービス事業や、厚生労働大臣許可の有料職業紹介所として看護婦家政婦紹介所という民間企業もあります。
看護婦家政婦紹介所の場合は、介護サービスを利用する場合、料金は少し高いですが必要な日数と時間を自由に選択して利用できる便利なサービスです。
一般企業が運営する介護サービス事業は、他の業界の一般会社と同じで、市場原理に基き自由競争による利益追求型の事業になります。
なので、利用料金は企業側で自由に設定でき、利用者との間で個別契約がなされ値段が決定するので、料金は各事業者によってばらばらです。
但し、介護保険サービス提供事業者として認可されれば、さらに利用者が増加することが期待できます。
その理由は、介護保険から事業者に介護報酬の一部が支給され利用者の実質負担額が大きく軽減することになるので、新たに介護事業に参入する業者も年々増加しています。
その結果、民間ならではの斬新な介護サービスが開始されたり、介護ヘルパーの特技や固有技能を生かした新しいサービスが提供されると共に介護人材の新規雇用もさらに増加すると考えられます。
また介護サービスを介護保険適用で開始できるようにと、現存する看護婦家政婦紹介所も認定をもらえるように業態転換を図るところも多くなってきました。
2.公的団体と助け合いの形態が非営利型団体にはある
民間の非営利型団体も次のように様々な形態があります。
- 社会福祉協議会:
公的組織と同じような民間団体で、総合的観点から地域社会の福祉を推進する団体組織で、全面的な委託を市町村からも担っており、自主的な事業運営も行っています。 - 福祉公社:
行政がバックアップしており、地域住民が参画して運営されている非営利の組織団体です。 - 生活協同組合(生協):
老人福祉サービスを担う事業主体として農業協同組合は認知されており、生協の会員同士で在宅介護サービスの提供を行っています。 - 住民互助型:
自発的に地域住民が互助活動を行っている非営利の組織団体です。
3.委託が主になっている公的機関団体
公的機関の形態としては、次の2つのケースがあります。
- 社会福祉協議会などへ市町村が委託するもの
- 介護サービス事業を直接市町村が運営するもの
しかし現在では、地方自治体の市町村が直接運営する公共機関による介護サービスは減少していますので、公務員の介護職員として収入面や待遇面で安定して働けるケースは少なくなっています。
一方、在宅介護支援センター、市町村社会福祉協議会、生活協同組合、福祉公社、農業協同組合、民間企業などは市町村から委託されて介護事業を展開している団体になります。